【2012年 第3回】 パーソナル・ファイナンスのテーマは「お金」- 大学生のためのパーソナル・ファイナンス
横川 由理(ヨコカワ ユリ) ⇒プロフィール
自分がやりたいことや、手に入れたいことを実現するためには「お金」が必要。「お金」といっても使うだけではなく、貯める、借りる、税金を払うなど様々です。たとえば、給料から引かれる税金。確定申告すれば戻ってくる?
パーソナル・ファイナンスを学ぶ目的
パーソナル・ファイナンスを学ぶ目的は、より良い(合理的な)意思決定ができるようになるためです。
たとえば道がAとBに分かれているとき、お金の知識がないとどちらに行ったらよいのかわかりません。
さらに、間違ってしまうこともあります。
よく電車の中で大学生がこんなお話を耳にすることがあります。
「就職をしても、今のバイトより給料が安いから就職をしないでバイトを続けようかな」
A:就職をする
B:バイトを続ける
たしかに、目の前の「お金」はバイトの方が高いかもしれません。
しかし、バイトである以上ずっとバイトという立場が続くわけです。
時給が上がったとしても、10円?100円?
さらに不況になると、首を切られるのはバイトからと決まっています。
なぜなら、正社員を簡単に首にすることができないからです。
また、大学を卒業すると国民年金や健康保険の保険料を自分で払っていくことになりますが、会社員だと半額を会社が払ってくれます。
通常バイトは、全額自分で払わなければならないし、保障してくれる内容も会社員に比べると劣ってしまいます。
一方、正社員であれば、会社によっては家賃補助や家族手当もあるでしょう。
ボーナスも忘れることはできませんね。
こんなことを考えると、目の前の手取り金額に惑わされることも少なくなるのではないでしょうか。
一般にフリーターはアルバイトやパートという立場で働いている人を指します。一見自由そうに思えますが、そうではないことがお分かりになったでしょう。
リクルートワークス研究所の調査では、フリーターの平均年収は男性156万円、女性122万円で、正社員の半分程度しかありません。
お金を借りる
次にお金を借りるときを考えてみましょう。
家を買うときは、銀行からお金を借りて買います。
どんな住宅ローンを選ぶかによって、同じ金額を借りたとしても、返す金額は大きく違ってしまいます。
かしこく、AかBかを選ぶ必要があるのです。
反対に税金の面から考えてみましょう。
バイトをして、給料が10万円近くあったとします。
給料明細をみると、税金が10%引かれていることに気がつきましたか?
もちろん、国は税金で運営されていますから、税金を払うことは必要です。
とはいえ、税金というものはお金をたくさん稼いだ人からは多くとるけど、それなりの人からは税金をとらないというしくみになっています。
特に大学生の皆さんは一般の大人よりも優遇されていますから、年収130万円までは税金がかかりません。
「でも、税金が引かれているんだけど?」
そういうときは、税務署に行って『還付申告』をしましょう。
去年の税金だけではなく、さかのぼって5年分の税金を還してもらうことができます。
バイト先から“源泉徴収票”をもらって、お住まいの近くにある税務署に行きましょう。
パーソナル・ファイナンスを学んで、賢く生活できるように準備をしていくことが大切です。
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