【2012年 第6回】 収入保障保険の得する選択術
ライフプラン別コラム – 子育て世代の生命保険入門
平野 雅章(ヒラノ マサアキ)⇒プロフィール
子育て世代にとって合理的な保障内容の収入保障保険。商品数の増加により、選択の幅は広がりましたが、自分たちに合う商品の選択に迷うことも。今回は、自分たちに合った収入保障保険の商品を選ぶポイントを解説します。
たばこを吸わない人は保険料割引あり
保険期間内に保障の対象となった人が亡くなったとき、遺族に毎月一定の金額が支払われる収入保障保険では、喫煙歴と健康状態により異なる保険料の区分(リスク細分型保険料率)を設けている商品が多くあります。
たばこを吸わない人の保険料は、「非喫煙体料率」として喫煙する人の保険料に比べ2~3割ほど安く設定されています。「非喫煙体料率」の適用は、1年間以上喫煙していないことが条件となっているのが一般的です。
たばこを吸わない人は、「非喫煙体料率」の設定がある商品から選択するとよいでしょう。一方、たばこを吸う人は「非喫煙体料率」の区分がない商品から選択するとよいでしょう。「非喫煙体料率」のある商品では、たばこを吸わない人の保険料が割り引かれる一方、たばこを吸う人の保険料は高くなります。「非喫煙体料率」の区分がない商品では保険料が一律となり、たばこを吸う人にとっては割安になる可能性が高いということになります。
健康状態により保険料割引あり
健康状態による保険料の区分を設けている保険会社も多く、「優良体料率」や「健康体料率」などの名称で呼ばれています。その適用条件として、身長と体重から算出するBMIと血圧の数値に範囲が設けられているのが一般的で、その条件を満たした上で健康状態を総合的に見て適用が判断されます。
BMIの数値の範囲は保険会社によって異なり、BMIを適用条件に入れていない会社もあります。各社の商品の適用条件を確認し、条件を満たす人は、健康状態による保険料区分を申し込んでみるとよいでしょう。
保障額の制限に注意が必要
商品を選択する時に注意しなければいけないのは、保障額による制限です。保険期間内に保障の対象となった人が亡くなったとき遺族に毎月支払われる給付金の額は、契約時に自分たちで選択できるのですが、設定できる最低金額は毎月5万円から10万円と商品により大きな差があります。
共稼ぎ夫婦で収入の差があまりないと、夫・妻の両方が収入保障保険に加入した方がよく、毎月支払われる給付金の額は両方とも少なくてよいというケースも多いのですが、商品の選択に制約が生じます。
また、5万円など低額から設定できる商品でも、保険料に「非喫煙体料率」が適用されなくなるなど、給付金の額を少なく設定することにより不利な扱いとなる商品もあります。高額な保障を必要としない場合は、月の給付金の最低金額を満たす複数の会社に見積もりを依頼することをお勧めします。
保険料の差は意外に大きい
掛け捨ての死亡保障の保険は保険金を受け取れる条件が明確なため、医療保険やがん保険に比べると保障内容に差がつきにくい商品です。一方、保険料では、同様の保障内容に同じ年齢・性別の人が加入する場合でも、保険会社による差と保険料の区分による差を併せ2倍以上の差があるのです。
保険料の差を自分たちで正確に把握するのは簡単ではありませんが、保険料の区分を有効に活用する前提で複数の商品の見積もりを作成してもらい、しっかり比較することにより、賢く収入保障保険を活用したいですね。
今回は商品の選択術について書いてきましたが、商品の選択には、どこで加入するかということが大きく影響します。
次回の記事では、実際に収入保障保険に加入するにはどこに行くとよいのか、加入の仕方による違いを解説したいと思います。
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