【2012年 第10回】 電信電話記念日 情報通信の最新事情10月23日は「電信電話記念日」
浅川 陽子(アサカワ ヨウコ)⇒プロフィール
情報通信の最新事情
10月23日は「電信電話記念日」ということで、10月は情報通信関連のデータをとりあげてみましょう。
<進むネット社会>
総務省が行っている「通信利用動向調査」によれば、インターネットを利用している人の数は平成23年では、約9,610万人で人口に対する利用率は79.1%、前年比148万人増、利用率は0.9%増となっています。過去5年で見ても利用者数、利用率ともに年々増加傾向にあり、ネット社会が進展していることがわかります。
都道府県別にみると、全国平均の79.1%を超えているのは、埼玉、千葉、東京、神奈川の関東と大都市圏の愛知、京都、大阪そして奈良と北海道の9都道府県です。
次に、主な情報通信機器の普及状況(世帯)をみてみましょう。パソコンは平成21年をピークに減少傾向にあります。また、携帯電話も平成21年でピークを迎えましたが、平成22年以降はスマートフォンも含めた数値で、平成23年では前年比増になっています。スマートフォン単独の普及率では、平成23年で前年比3倍増と、急速に普及が進んでいることがわかります。スマートフォンの普及は携帯電話だけでなく、PCの保有状況にも影響を与えているともいえそうです。
ちなみに個人ベースでみると、自宅PC保有は人口の62.6%、携帯電話は52.1%、スマートフォンは16.2%、タブレット端末は4.2%になっています。
<かさむ通信費>
情報通信機器の普及が高まる一方で、どうしても気になるのは通信費です。
総務省の家計消費状況調査によれば、通信費の内、固定電話の使用料はほぼ横ばいであるのに対して、携帯電話等の移動電話使用料が年々増加傾向にあることがわかります。理由としては、スマートフォンの使用料が携帯電話よりもかさむことがあげられ、スマートフォンの普及により、今後、さらに通信費の増加が予想されそうです。
<スマートフォンが主役へ>
PCや携帯電話の普及が飽和状態にあるなか、スマートフォンの普及が日本だけでなく、世界規模で進んでいます。総務省の「平成24年版情報通信白書」によれば、2009年から2011年にかけてのスマートフォンの普及は世界全体で2.7倍、アジアでは4.2倍に拡大したそうです。
2015年にはスマートフォンの携帯電話に占める割合が、世界で50%を超えると予想されています。
この新しい市場開拓は大きな経済波及効果を生みつつあるともいわれており、日本でも直接的な経済効果は3.7兆円、間接的波及効果をいれると7.2兆円、雇用誘発効果は33.8万人といわれています。
スマートフォンの利用率は、今のところ、世代によって格差があり、20代では40%を超える高い普及率となっていますが、年齢が上がるにつれ利用率は低水準になっています。実際にスマートフォンに乗り換えた人を対象にした調査では、その理由の1番は、「パソコンと同じ場面でネットの閲覧ができる」、2番に「画面が大きくて見やすい」になっており、パソコンと同等のWEB機能を重視している人が多い結果になっています。
また、携帯電話ユーザーとスマートフォンユーザーとで、家庭外での利用サービス内容の比較を行うと、HPページ閲覧やソーシャルメディア利用、電子取引(インターネットショッピング)と、地図情報の利用では、スマートフォンユーザーの方が多いという結果が出ています。
今後、スマートフォン向けコンテンツの充実等により、30代以上の世代でも、スマートフォンの普及拡大が十分見込めるといえ、さらに高齢者の利用を見据えたサービスの拡充、使用料の値下げ等が図られれば、情報通信キャリアはスマートフォンへ大きくシフトされることになりそうです
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