関西の“人の移動”傾向 & “お引越し”についての話【2012年 第3回】

【2012年 第3回】関西の“人の移動”傾向 & “お引越し”についての話    東日本大震災から約1年

合田 菜実子(ゴウダ ナミコ)⇒プロフィール

東日本大震災から約1年、“人の移動”という意味においては、過去数年間の中でも最も変動があった年なのではないでしょうか? 今日は関西における最近の“人の移動”傾向と、それに伴う“お引越し”のノウハウについてお話します。

 

 

 

 

住民基本台帳人口移動報告(総務省発表)によると、大阪、京都、兵庫、奈良4府県(大阪圏)では3月~7月までの5カ月連続で、転入者数が転出者数を上回る“転入超過”となりました。震災などで、東北や首都圏から関西への転居が増えたことが影響していると思われます。

 

 

 

 

 

ただ、大阪府に限ってみると、夏以降、転入の流れは落ち着いて、大阪に異動してきた人員がUターンで首都圏へ戻る流れもあり、8月以降から現時点で報告発表されている平成24年1月までは、転出者数が転入者数を上回る“転出超過”となっています。下記の図表からも、ここ数年、大阪府の世帯数は伸びているものの、人口は減少傾向にあることが分かります。

 

 

 

 

 

 

震災後本社機能を関西に移した企業もあり、“大阪都構想”“ニューヨークに匹敵する街づくり”という理想を掲げ、東京に次ぐ第2の都市として、日本経済をひっぱって行きたい“大阪エリア”ではありますが、東京一極集中の流れを変えるのはそう簡単ではないようです。

さて、3月から4月にかけては、震災の影響に限らず、人が大移動する時期です。大学入学、就職、そして人事異動など、多くの人が様々な思いを胸に抱きながら、新しい春を迎えます。

ここからは、この時期多い異動・転居に伴う“お引越しのノウハウ”についてお話します。
“引越しすることが決まったら”まずすべきは、引越しの希望日程を決めて、引越し業者を手配することです。3月末、特に土日は混雑が予想されるため、転居先の具体的住所などが決まっていなくても、とりあえず引越し業者を抑えます。

【引越し見積もりの取り方】

最近は、インターネットでの“引越し一括見積もり”が可能ですので、おおよその情報を入力して、見積もりを依頼します。ただ、単身などで荷物が少ないケースを除いてほとんどの場合は、実際に業者が来て荷物量をチェックした上で見積りを出してもらいます。一括見積もりは便利ですが、あまり多くの業者に一斉に依頼すると、メール発信直後から次々にセールスの電話がかかってきますので、“実際使ってみたい業者”“比較のするために気になる業者”の数社に絞って依頼するのが賢明です。

【引越し費用について】

“業者によって”というよりも、最も影響を受けるのは、“日程”です。同じ、荷物を同じ距離で移動する引越しであっても、3月末のようなピーク時と、オフシーズンの平日ならば、数倍も見積もり額が変わる可能性があります。ピーク時は売り手市場なので、業者によっては高額な見積もりをわざと出して、遠まわしにお断りしてくるケースもあります。ちなみに某大手引越し業者では、3月の最終週と4月の1週目だけで、1年間のうちの約6分の1分の引越しの取り扱いがあるそうです。可能であれば、この時期、特に週末は避けるようにしましょう。

“らくらくパック”か“自分で荷造りをするか”、また“引越しスタッフの数”“時間帯”などによっても当然、“引越し費用”は変わってきますが、それ以外にも注意する点があります。

特に長距離のお引越しを予定されている場合は、“安かろう悪かろう”にならないように、以下のような点に注意して下さい。

①途中でトラックの積み替えを行わないか?
見えないところで荷物が積み替えされた場合、家具に傷がついたり、破損したりという可能性が高くなります。
②同じような路線の引越しの荷物と“混載”されないか。
①と同じく、荷物が痛んだり、紛失したりという可能性が高くなります。
③長距離路線の場合、途中コンテナ(JR)を利用するか?
貨物系の引越し業者の場合に多いケース。①と同じく荷物の破損などの可能性が高まります。

①~③の方法の場合、コストは低くなる傾向がありますが、デメリットも承知しておく必要があります。理想的なのは、1台のトラックに荷物を積んで貰ってしっかり中身を確認し、荷出しの際のスタッフにそのまま移動してもらい、荷受けの際にも立ち会って貰って中身を確認する方法です。実際、荷物をトラックに積み確認した後、鍵をかけて荷受けまでその鍵を預からせてくれる業者もあります。

【引越し業者の選び方】

引越し専門の業者、運送系の業者、宅配系の業者などによって、それぞれ、得意とする点、苦手な点があります。引越し専門の業者が一番ソフト面では充実しているケースが多いようですが、そのあたりも、ピーク時かオフ期か?短期アルバイトかベテランの専属スタッフのいずれが対応するか?といった部分で顧客満足度はずいぶん変わってきます。

大切な荷物を守るためには、“安い業者”という視点からだけでなく、“ソフト面”においても、責任を持って対応してくれる業者かどうか見極めてから選びましょう。

最後に、業者選びの際は、地域性にも気をつけましょう。関西発(または関西内転居)であれば、関西が本社の業者の方がトラックの台数や、ソフト面での人材確保といった点で、力を持っています。長距離移動の際は、両方の土地に強い業者を選ぶのが鉄則。引越し業者は、荷物を運んだら、帰りも別の荷物を積んで戻ってくる方が都合がよいですので。

私自身、ちょうど1年前の今頃、引越しの準備に追われていました。“引越し”とは、 単なる“人とモノの移動”というだけでなく、その土地への思いを断ち切って、親しくなった人たちに別れを告げ、新しい気持ちで次なる土地に進んでいく、人生の中でも“大きな転機”となるイベントです。

“引越し”はパワーが必要ですが、人生をリセットして、新しい気持ちでスタートする“チャンス”の機会!でもあります。環境の変化を“プラスの転機”に出来るよう“良いお引越し”をして下さいね。

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