【2010年 第14回 効率のよい保険のかけ方は?】相談コラム
佐藤 名ゝ美(サトウ ナナミ)⇒プロフィール
このコラムは、相談いただいた事例を紹介するコラムです。
相談者・家族構成
Tさん(30)専業主婦、夫(29)会社員、長女(1)
相談内容
これまで、よくわからずに保険に加入していて、現在月々約4.4万円も支払っています。徹底的に見直したいのですが、どうすればよいのか分かりません。
専業主婦なので自分の保険は必要ないと思いながらも、「貯蓄タイプの保険は中途解約しない方が良い」と聞いたため、そのままになっています。今後、保険の数を増やしたり、途中で解約したりしないでいいよう、一番効率のよい保険のかけ方を教えて下さい。
回答
生命保険について、今後の見直しが必要ない“完璧なプラン”をご希望の様ですが、結論からいうとそれは無理。
お子さんの成長とともに必要保障額は変わりますし、社会保障制度や金利情勢といった外的環境の変化もあります。そもそも生命保険とは、それらに応じて定期的な見直しが必要なものなのです。
ということで、“最も効率の良い掛け方”を尋ねられたら、私は迷わず「必要なときに必要な見直し・手直しがしやすいように、保障の目的別に契約を分けて加入しておきましょう」とお答えします。もちろん、保障と貯蓄も基本的には分けて考えます。
例えば、夫1人のことだけを考えても、保障の目的は、死亡時の「遺族の生活資金」「子どもの教育資金」「葬儀費用等」「借入金の返済資金」、病気やケガの療養時の「医療費用」「生活資金」「ローン返済資金」など、様々なものがあります。
目的が明確になれば、それに対する必要保障額および保障期間は、おのずとイメージできますよね。あとは、それに対応できる保険商品の中から、最も条件の良いものを部分ごとに当てはめていくのです。
となると、保険会社や保険商品が違うものになり、保険証券が何枚もある状態になる可能性が高くなりますが、それでいい(・・・というか、それがいい)のです。
言い換えるならば、それらは部分ごとに各保険会社や保険商品の“いいところだけつまみ食い”した最強プランです。その上、必要に応じて部分的な修正を自由に行なうことができるという特徴も備えることになります。
ただし、これを実行するには、公的年金や健康保険の知識を含めた高い保障設計力と幅広い商品知識が必要です。まずは、保険に精通したファイナンシャルプランナーや独立性の高い乗合代理店など、相談者・実行援助者を探すことから始めましょう。
このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したものです。
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