【2010年 第20回 働きたいが生活が改善するか疑問】相談コラム
佐藤 名ゝ美(サトウ ナナミ)⇒プロフィール
このコラムは、相談いただいた事例を紹介するコラムです。
相談者・家族構成
Kさん(30)主婦、夫(25)会社員、長男(0)
相談内容
今年から夫の残業がなくなり、月収が5万円ほど減りました。
私も働くことを考えましたが、ほとんど保育料に消えてしまう気がします。
長男を実家に預けることも考えましたが、毎日通うには遠いので、そうなると引っ越しも検討しなければなりません。
新居の敷金や通勤のガソリン代など、新たな支出が増えるならば、働いても生活が改善するかどうか疑問です。
なるべく早く次の子を産みたいのですが、このままでは不安。保険の見直しもしたいのでアドバイスお願いします。
回答
公立保育園の保育料は、お子さんの年齢と世帯収入によって決まります。
お住まいの市町村役場の保育窓口で確認していただきたいのですが、Kさんの場合、おおまかに月額1~3万円程度になるのではないかと思われます。
保育料のほかに、Kさんが働くことで、これまでのような綿密なやりくりに手が回らなくなり、基本生活費の支出も若干増えるかもしれませんね。それらを超えてプラスになる働き方を考えてみましょう。
時給650円で1日6時間、月20日間働くことを想定すると、月額7万8千円の収入が期待できます。
「働いた分が保育料に消えてしまうのでは?」というご心配に反して、家計にとっては大きな助けになるでしょう。
注意したいのは、夫の勤務先からの家族手当の支給要件や、社会保険の扶養要件についてです。
Kさんの労働時間や収入が増えすぎてしまうと、夫への手当がなくなり、逆に、手取りが減ることもあるので気をつけてください。
また、ご実家近くへの引っ越しも検討中ですね。どちらが良いかは実際に収支を見積もってみないと何とも言えませんが、「お母様に頼れる安心感」など、経済合理性だけではないメリットも選択のカギとなるでしょう。
生命保険は、「利率の高いときに加入した」そうですが、その恩恵を受けている貯蓄部分は、月払保険料1万2千円のうち3千円程度に過ぎません。残りの保障部分については、新しく掛け替えた方がかえって効率が良いはずです。
今お持ちの保険を払済保険(※説明は下記)に変更し、保障を新たに作り直されてはいかがでしょうか。
※払済保険:その後の保険料を払わずに満期まで保障を残す方法。保障額は小さくなるが、それまでに貯まっている資金を、契約時の高い利率で運用してもらえるというメリットがある。
このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したものです。
この記事へのコメントはありません。