リタイア後の趣味を考える その1【2009年 第7回】

【 2009年 第7回 】リタイア後の趣味を考える その1 リタイア準備

 西谷 由美子プロフィール

毎日毎日、いろいろと新聞の折り込みチラシが届きます。やっと片付けたと思うと次は週に一度の生協のカタログ。リサイクル用に選別しながら記事に目を通していると、7月は鰻の注文欄が。
そうだ、土用の鰻、そろそろ予約しなければ。土用といえば鰻の他にも季節行事として「土用の虫干し」がありますね。

虫干し

江戸時代には4月1日、10月1日をもって春夏の衣を替える日としました。そして、梅雨も明けた夏の土用の頃には、カビや虫害を防ぐために衣類を日に干したり、風を通したりする「虫干し」をしたのです。ご存知でした?

近頃は衣類の入れ替えだけかもしれません。でも私が子供の頃は、桐の衣装箱からめったに着ない和服を取り出し、部屋中に吊るして風を通したものです。

実は最近、この狭い居住空間をものともせず、虫干しを復活させてるんです、私。
機密性が高いのは、裏返せば風通しが悪いということでもある最近の住宅。子供に季節の行事を体験させるためにも、また近頃無限に増殖している(ような気がする)和服を傷めないためにも。

なぜ和服が増えたのかというと・・・単に着るだけではなく、お手ごろな値段のリサイクルきものを集めて、自分の洋服に仕立て直す、という趣味に走っているもので。将来リタイアした時には今ほど積極的に遠出ができないかも(?)、などと理由をこじつけてはフリマで買い漁っています。
既に押入れのかなりの部分を占拠している状態。早くリタイアして、洋裁三昧の日々をすごしたいものです。

リタイア後の過ごし方

さて、リタイア後にはやりたいことがいっぱいという方もいれば、もてあますほど時間があり、何をすればよいのか皆目見当もつかない、という方も。世間一般では、会社人間の夫が定年後にうっとうしい存在になる、と冷かされていますね。綾小路きみまろさんのネタにされないためにも、仕事一筋だった方はリタイア後の時間の過ごし方を考えなければなりませんね。

「って、突然いわれてもねぇ。」という方には朗報かも。例えば子供の頃の夢をかなえる、みたいなことが、昔と違って手軽に体験できるようになりつつあります。例えば・・・

子供の頃の夢をかなえる

男性に限りませんが、おっきな車を運転してみたい、ただし大型や二種免許を取得するほど本格的ではなく、という方。「日帰り・観光バス運転体験ツアー」というのが好評だそうです。この5月に山梨で旅行社と旅の雑誌出版社がコラボ。日帰り昼食つきで1万5千円。おひとりだいたい800mの滑走路(日本航空学園の実習場、公道ではありません)を15分かけて2往復、12mの大型バスを運転できる内容。反響が大きかったので夏には大型トレーラー運転体験ツアーも企画されているそうです。

他にも北海道陸別町のふるさと銀河鉄道、茨城県常総市の関東鉄道常総線。こちらは電車やディーゼル車の運転が体験できるんです。例えばふるさと銀河線りくべつ鉄道は、駅舎と500mの線路の間を80分かけての点検や運転やらを体験させてくれるそう。
旅客を運ぶ事業にあたらないので、免許なしでも運転はOKだとか。参加費2万円、事前予約が必要ですが、毎週月・木・金と第一・第三土日に継続して実施。中・高生向けの15分コースもあるそうです。

路線が廃止されたり、赤字の補填に新しい企画が生まれたり。そういう流れの中で、忘れていた子供の頃の夢が、短い間ですが実現するかもしれないなんて、ちょっぴりうれしいですよね。
リタイアするのはまだまだ先?だったら待っていれば「一日機長」で飛行機だって操縦できる世の中が来るかもしれませんね。
暇な時には、子供の頃の夢を思い出しながら、世間の情報にアンテナを張っていれば、きっと素敵な何かに出会えることでしょう。

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