【 2009年 第 3 回】金銭教育その9受験や入学シーズン!いただいた「お祝い」はどうしています? こどもとお金
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール
卒業・入学などを控えるこのシーズン、新しい生活へと進む子どもたちに、周囲の大人から「お祝い」の気持ちを頂くことも多いですね。
そういった「お祝い」の気持ちとしての品物などをいただいた場合、みなさんはどうしておられますか?
子どもにお祝いをいただいたら?
子どもに対して「お祝い」をいただくのは、両親の親・兄弟などの親類や仕事関係の方、親しい友人等、たいていは親を通しての関係者が多いと思います。そういう点では「お年玉」に近いといえますね。
「お年玉」の場合は、お正月という期間限定だということもあるのでしょうが、子どもが直接いただくことが多いように思います。それに対して、卒業・入学などの「お祝い」の方は、親を介して、あるいは郵便などの手段によって、直接お会いせずに子どもが受け取る機会も多いのではないでしょうか。
そういった場合、みなさんはどうしておられますか?
私は、子どもたち自身から、お祝いを贈って下さった方に対して、きちんとお礼のご挨拶をするようにさせるようにしています。
最近は、電話やメールなど、子どもでも扱える、便利で身近な手段もあります。
両親の親・兄弟など、日頃からよく顔も合わせるような、つきあいの深い間柄なら、そういった手段でもかまわないと思っています。
それでも、気をつけたいのは、必ず子ども本人から伝えること、これは最低限のマナーだといえるでしょう。
正式には、“便せんに封筒”というのが礼儀です。
が、そこまでするには改まりすぎる…と思うのであれば、せめてハガキやカードでお礼状を出すことは心がけたいものです。
幼稚園や小学校の入学の場合は、まだ、本人が字を書けない場合もあります。
そういうときは、子どもに絵を描かせるとか、「ありがとう」の文字だけでも書かせて、あとは親がフォローを…と工夫することもできますね。
贈って下さる方の気持ちを汲む…ということを、子どもたちに感じてもらえるよい機会だと思います。
また、贈って下さる方も、子ども自身からの“かわいい”お礼が届けば「贈ってよかった」と思っていただけることでしょう。
お祝いを贈る時には?
今度はその「お祝い」を贈る側の立場から…。
さまざまな物があふれる今の時代。なかなか「気持ち」を「形」にするのはむずかしくて、何を贈ろうかと考え込んでしまうこともあります。
たとえば、小学校入学の定番のランドセルでさえ、色や形もさまざまで、おじいちゃんやおばあちゃんが勝手に注文するわけにもいかないようです。また、販売の時期もどんどん早くなっていたり、ネットなどで自分のこだわりを徹底的に追求して注文する親子もあったりすることを考えると、「品物」選びはいっそう困難です。
そういった時代背景もあり、「お祝い」は「のし袋入りのお金」という方がほとんどかもしれませんね。
お祝い金の行方
では、「お祝い」をお金でいただいた場合は、どのようにしておられるでしょうか。
子どもの新しい生活に必要な物を購入するためにいただいたのですから、そのままその費用として使ってもよいでしょう。(正式には、「内祝」として、半返しもしくは3分の1程度の金額をなんらかの形でお返しするものです。が、親しい身内からいただいた場合には、気持ち程度のお返しで済ませる場合も多いようです。)
でも、もし、家計に余裕があるようなら、「お年玉」と同様、お祝い金を子ども名義の通帳に入金することをオススメします。
私の場合、子どもにいただいたお祝い金は子どもに見せて、お礼のご挨拶をさせるか、もしくはお礼状を書かせたあと、子ども名義の通帳に入金します。そして、いただいた方のお名前を、通帳の横にメモ書きしています。
子どもがある程度の年齢に達し、通帳を本人に託す日がきたとき、今までにいただいたお祝い金の積み立てとともにいただいた方々の名前を見て、自分の節目を祝って下さったことに対して感謝の気持ちをあらたにしてくれれば…と願っています。また、そういう気持ちとともに積み立てられたお金であることに気づけば、自分にとって有効に使ってくれるのではないでしょうか。
こういった行事を通して、親子や親戚・友人など周りの人たちとの間でのマナーを学んだり、コミュニケーションをとっていく機会とできるようにしていきたいと思っています。
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