伊豆の海~大瀬崎・井田編~【2009年 第 4 回】

【 2009年 第 4 回】伊豆の海~大瀬崎・井田編~ 「海の中」の世界

 佐藤 涼子(サトウ リョウコ)

【大瀬崎】
静岡県沼津市の大瀬崎(おせざき)は別名琵琶島とも呼ばれる、駿河湾に約1km突き出した半島です。そこには、国指定の天然記念物となっているビャクシン樹林が群生しており、 海越しには富士山をのぞむことができます。この景色は古くから名勝の地として知られています。

日本有数のきれいな海水浴場として全国に知られる大瀬海水浴場には、毎年多くの観光客が訪れます。透明度が高く、遠浅で波が静かな海は海水浴にはとても適しています。

大瀬崎のダイビングポイントは大きく分けて3つ。
「湾内」「先端」「外海」です。今回は、「湾内」「先端」についてお話しようと思います。

湾内

「湾内」は、ダイビングライセンス取得の講習もよく行われているポイントです。ビーチダイビングスタイルなので、タンクを背負って歩くのが大変だと思われがちですが、砂利浜なのでエントリーが楽なことでも有名です。

夏場はとても多くのダイバーが潜り、例えるとするならば「渋谷」「原宿」のような混みぐあいです。講習が行われているのでは、大した生物は見られないのかというと、そんなことはありません!クマノミやソラスズメダイといった鮮やかな色の魚から、アオリイカや クロホシイシモチの産卵も見ることができます。

先端

「先端」は、土日祝日のみ潜ることができるポイントです。ここもビーチスタイルエントリーです。「先端」はダイビングショップから離れているため、機材を台車に乗せてゴロゴロと押しながら移動します。

ポイントに行くまでに「大瀬神社」を通るため、拝観料として100円が必要となります。
岬の先端に位置しているので、魚影の濃さは大瀬崎一ともいわれています。
カラフルなウミウシを始め、オトヒメエビやサラサエビ、ミノカサゴなどを見ることができます。
魚影が濃いということは、ある程度の潮の流れがあるということ。私が潜った時は流れがあり、海の底へと向かって流れる「ダウンカレント」という現象に遭遇しました。(滅多にないことだと思いますが・・・)

東名沼津インターから車で1時間というアクセスの良さと、初心者から上級者まで楽しむことができる大瀬崎だからこそ、ダイビングのメッカと言われるのではないでしょうか。

井田

井田(いた)は大瀬崎から車で10分ほどのところに位置しています。透明度が高く、大瀬崎よりものんびりとしているので、私の中では隠れオススメスポットです。

民宿が軒を連ね、田んぼが広がる風景は独特な雰囲気であり、南北200メートルにわたって広大なビーチが広がります。

海の中に太陽光が差し込むと「井田ブルー」と呼ばれる美しい青色の海を見ることができます。ソフトコーラルの美しさも外せないポイントです。じっと目を凝らして海藻を見ると、ガラスハゼやヨウジウオがいます。その一方、ヒラメやヒラタエイなどの比較的大きな魚も見られます。マクロ系からワイドな生物まで、多くの生物を写真に収めることができます。

伊豆の海の魅力は、1年を通して潜ることができ、海の中の春夏秋冬を感じることができること。私たちが普段目にしている四季折々の自然同様、海の中の春夏秋冬も楽しんでみてはいかがでしょうか。

【参考】沼津市HP、Marine Diving2007年11月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真1枚目は、大瀬崎で撮ったミノカサゴ、2枚目は、井田で撮ったヒラタエイです。

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