カーシェアリング【2009年 第 2 回】

【 2009年 第 2 回】カーシェアリング エコライフ

 江口 久美子(エグチ クミコ)

家計節約の手段のひとつとして、「車を持たない」あるいは「2台あった車を1台にする」という家庭が最近は多くなっています。エコライフを送るためにも効果的なことだと思います。

車を持たない人が車を使いたい場合は、今まではレンタカーを借りるのが一般的でしたが、最近は「カーシェアリング」という新しい選択肢も出てきました。

カーシェアリングとは?

カーシェアリングは、1台の車を複数の会員が共同で所有することです。前もって管理会社(団体)の会員となって必要な時のみ車を借りる仕組みです。

24時間制の会員制のレンタカーのようなもので、15分や30分の短い単位必要な時間だけ利用できます。ガソリン代や保険料、駐車場代や保険料などの車の維持費が月額使用料や距離料金に含まれていることも特徴です。

1980年代にスイスで発祥し、今ではヨーロッパを中心にアメリカやカナダなど世界中に普及していますが、最近の物価高騰で日本でも都市部を中心に利用者が増えてきています。

分譲マンションなどの集合住宅で駐車場が充分に確保できない際に、売り主(不動産会社)がカーシェアリングを導入する例も多くなってきました。

メリットとデメリットは?

カーシェアリングがエコで(家計の節約にも環境にも)、とても便利なことはメディアなどでもよくとりあげられていますが、メリットとともにデメリット(問題点)も挙げておきたいと思います。

メリット

・ 短時間の利用が可能
レンタカーは6時間以上の利用で料金設定がされていますが、カーシェアリングは15分や30分単位の短い時間でも利用可能です。
・ 車の維持費が経済的
ガソリン代、駐車場代、保険などの車の維持費を会員でシェアしているのでとても経済的です(月額使用料や距離料金に含まれています)。
・ 予約や貸出、返却時の手続きが簡単
パソコンや携帯電話のインターネットで24時間予約できます。
車の利用状態を管理センターで自動的に把握できるので、貸出・返却の際はICカードを車にかざすだけでその他の手続きが不要です。
・ 環境に優しい
共同で車を使用することによって車の台数が減り、CO2の排出量も減ります。

デメリット

・ 利用できる場所が少ない
現状では、全国どこででも利用できるというわけではありません。
都市部でも自宅から徒歩数分という距離で利用できる場所はまだまだ少ないようです。


・ 利用変更の融通が利かない場合がある
利用したい時間帯に他の人がすでに予約していて利用できない場合があります。利用直前に予約をキャンセルするとキャンセル料が発生する場合があります。予約した時間に遅れそうな場合も連絡を入れなければなりません。
また、渋滞などで利用時間をオーバーしてしまう場合も連絡を入れないと2倍の時間料金などの違約金が発生する場合があります。
自分の車ではないので融通が利かない場合があるということですね。


・ ペットの同乗や喫煙ができない
ペットの同乗や喫煙も、やはり自分の車ではないのでできません。


・ 乗りたい車種の指定ができない
レンタカーでは車種指定ができますが、カーシェアリングでは一部を除いて車種指定ができません。


・ 乗り捨てができない。
原則、元の駐車場に戻さなければなりません。


・ 家族間でICカードの貸し借りができない
契約者と利用者は同じでないといけないため、家族ひとりひとりが契約して月額使用料を支払わなければなりません。

それでもやっぱりマイカー派という人は?

メリットとデメリットを見てみていかがですか?

カーシェアリングはコストも安いし利用してみたいけど、近くに利用できる場所がない場合は便利さを考えて、やはりマイカー派という方も多いと思います。z車を持つ人は維持費のひとつとして車検の費用がかかってきますが、誰でも車検費用はなるべく抑えたいと思いますよね?

でもそこでちょっと考えて欲しいことがあります。
車検総額の費用だけで「高い」「安い」を判断していませんか?
生命保険で例えるなら、保障内容を確認しないで保険料だけを聞いて「高い」「安い」を判断することと同じことです。
車検の見積書が出たら必ず内容の確認をした上で、故障して痛い出費にならないようにトータルで検討することをおススメします。

また、定期的な自動車保険の見直しをすることも大切ですね。
信頼のおけるディーラーやメンテナンス店、いわゆるカーライフのサポーターを見つけることもコストを抑える近道になると思います。

ライフスタイルに合わせて選択を

どうしてもマイカーが必要という方を除いて、近くにカーシェアリングを利用できる環境があれば是非利用を検討してみて下さい。
子どもの送り迎えや近場での買い物にはカーシェアリングを、宿泊を伴う旅行にはレンタカーを、というふうに利用時間とライフスタイルによって賢く使い分けていくことが、結果として家計にも環境にも優しくなることと思います。

たくさんの人が「カーシェアリング」「レンタカー」「マイカー」という3つの選択肢を持てるように、カーシェアリングの利用場所がもっともっと全国的に広がっていくことを期待したいと思います。

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