【 2009年 第 6 回】トカラ皆既日食ツアー(2) エコライフ
江口 久美子(エグチ クミコ)
前回トカラ列島での皆既日食ツアーについてご紹介しました。
天文ファンじゃなくても、けっこう気になるツアーですよね?
でもこのツアー、前回お話したように観測者を受け入れるための環境整備に、相当な費用がかかります。その費用は、参加者が負担することになります。
よって、旅行代金は一番安いものでも約35万。一番高いものだと約140万円にもなります!
このツアーを知って、「どうしてもトカラで皆既日食を見たい!」と思ったとき、旅行資金はどう工面すればいいでしょうか。
余裕資金で
ベストなのは、やはり「余裕資金」で行くことだと誰でも考えるでしょう。
これがベストなのですが、ちょっと気にかけてほしいのは、「どの口座のお金を使って行くか」ということです。
みなさんは、いくつ預(貯金)口座を持っているでしょうか?
お給料が入ってきて生活費を管理する口座、将来の住宅購入資金の口座、教育資金のための口座、投資信託など資産運用のための口座・・・などいろいろあると思います。
大切なのは、1つの口座に全部まとめず「目的別に」口座をわけることです。
目的別に口座をわけることで、「手をつけていい口座」「ぜったいに手をつけてはいけない口座」の見分けが自分自身でできるようになります。
たとえば、子どもが来年大学受験や入学を控えているなら、教育資金用の口座は絶対に手をつけてはいけないと思えるでしょう。
もしも、これがひとつのすべてひとつの口座にまとまっていたら、「なんとなく余裕があるから」と気軽に手をつけてしまうと思います。
自分自身への意識付けのために、ぜひ目的別に口座を分けてみましょう。
トラベルローンの利用
では、「どうしても今ある資金では旅行に行けそうにもない」というときはどんな方法があるでしょうか。
ひとつの方法として親や友人に借りるという手もありますが、親子と言えどもお金の貸し借りはしたくないもの。それが友人ならば、なおさらだと思います。
もうひとつの方法は、トラベルローンを組むということです。
「ローンはちょっと抵抗がある。」という人も多いでしょう。
今や、住宅ローンや自動車ローンを組むことは多くても、それ以外にローンを組むのは避けたい人が多いと思います。
ただ、考え方によっては、その旅行での体験がその後の人生に大きく影響するようなものなら、時間を先取りするための「ツール」として活用することもアリなのでなないかと思います。
その「ツール」としてのトラベルローンについて、ちょっとみていきます。
トラベルローンは目的別ローンのひとつで、フリーローンに比べて低い金利となる場合が多く、審査も早いのが特徴です。
銀行や信販会社、旅行代理店などが扱っていますが、銀行や信販会社などでトラベルローンを契約するときは、身分証明書のほかに旅行代理店が発行した見積書と日程表を提出する必要があります(旅行代理店では不要)。
借り入れ金額はローンを提供する会社によって違っていて、1万円から可能なところもあれば3万円からの会社もあります。法人で申し込むこともできます。
では、具体例として、トカラ皆既日食ツアーに参加する場合のシミュレーションをしてみましょう。
<前提条件>
・ ツアー金額:346,000円(鹿児島港発着)
4泊5日(船中2泊、宝島テントまたは小中学校体育館2泊)
・ 手持ち資金:150,000円
・ 借入れ金額:200,000円
・ 手数料率:9.53%
・ 支払方法:毎月均等分割払い
・ 支払い回数:24回(ボーナス返済なし)
<シミュレーション結果>
1回目の返済額:9,760円。2回目以降は9,100円。
200,000円の借り入れに対して、2年かけて合計219,060円を返済することになります。
毎月9,100円を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですので、シミュレーションをして返済が難しいと思うなら諦める勇気も大切です。
次に、トラベルローンを利用するときのポイントを挙げてみます。
- トラベルローンを組んでまでも、行く価値のある旅行なのか
- 返済期間内に大きなイベント(結婚や子どもの進学など)がないか
ある場合は、トラベルローンを組むことによりそのイベントに大きな影響がないか - 毎月の返済額や返済期間に無理がないか
本当に行く価値のある旅行?
一番大切なのは、1の「トラベルローンを組んでまでも本当に行く価値のある旅行なのか」です。この見極めがとても重要です!
今回は、楽しく充実した時を過ごすためのひとつのツールとして、トラベルローンをご紹介してみました。ひとつの選択肢としてうまく使えれば、上手なお金の使い方になると思います。
でもやっぱりまずは、余裕資金で行くのがベストです。
旅行をするための口座を作って、その旅行をイメージしながらお金を貯めていくことは、思ったより楽しみながらできると思いますよ。
是非試してみて下さいね!
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