【 2009年 第 12 回】住宅を買う前に、深呼吸して下さい トピックス
松山 智彦(マツヤマ トモヒコ) ⇒プロフィール
「この返済額だったら、今のお家賃とそう変わらないでしょう」
契約相談での一場面にありがちなセリフです。
モデルルームなどに行くと、すでに自分が住んでいるかのように、夢を膨らましてしまいがちです。
そこで気分も舞い上がってしまい「もう、ここにしよう!」
と思って申し込みをしてしまう事もありそうです。
その住宅ローン、返すあてがありますか?
当然、即金で家が買える人はほとんどいませんから、借金をします。つまり住宅ローンです。
ローンを組むためには、融資先の審査が必要です。
この審査に通れば、ローンが借りられる=家が買える事になります。
冒頭のセリフのように、今の家賃とローンの返済額とを比較し、そう変わらなければ、なんとなく買えそうな気分になります。
しかし、ここで注意しなければならないのは、借りたお金は返さないといけません!
そのローン、本当に返すあてがありますか?
ファイナンシャルプランナーの相談現場では、「買う物件は決まって契約しました。ローンはどう組めばよいでしょうか」
という相談を多く受けます。
実際、分析してみると・・・・絶句します。
将来、今の収入のままでも数年後~数十年後には破綻するのです。
収入が増えるという事を前提に組んだとしても、ぎりぎり・・・OUT!
そんな相談が非常に多いです。
また、ただ安いというだけで変動金利を選択していたり、期待できないボーナス併用払いを選択したり、もっとひどい場合には、固定資産税などの住居関連費なども計上していない場合もあります。
「借りられる=返せる」ではない
「だって、銀行の審査が通ったから大丈夫かと・・・」
でも「借りられる=返せる」ではありません!
銀行などの融資先と住宅販売社は、今の時点で買えるか?を審査します。
過去の貸倒れや返済遅延などは審査していますが、将来の支出増まで見込んだ審査などしていません。
しかし、子供の養育・教育費、老後資金準備、思わぬ冠婚葬祭費用など
支出は、収入以上に変化の激しいものです。
銀行、住宅販売会社へ行く前にファイナンシャルプランナーに相談を
だから、ほしい物件が決まって、買えるかどうかの相談は、銀行や住宅販売会社へ行く前にファイナンシャルプランナーに相談しましょう。もしそれが不安だったら、自らのライフプラン、キャッシュフロー表を作ってみましょう。
せっかく、家を買っても、途中で破綻して手放す事態になったら元も子もありません。
とあるキャッシングのCMでも言っています。「返せる自分を想像してみる」
一度、深呼吸して、想像して、大丈夫だったら、夢のマイホームを手に入れましょう!
2010年から私のコラムはキャッシングをテーマにしたものになります。ぜひともご期待下さい。
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