【2013年 第6回 働くママをもっと応援!】女性のための社会保険アドバイス
菅野 美和子 ⇒プロフィール
自分の夢を大事にしたい、仕事も家庭も子育てもあきらめたくないという女性を応援する社会保険制度について前回お話しましたが、法改正によりさらに充実されることになりました。平成26年4月1日より産休中の社会保険料が免除されることになりました。
働くママを経済的に支援する制度
働くママを経済的に支援する制度として、産前産後休業中は健康保険からの出産手当金があり、それに続く育児休業中は雇用保険からの育児休業給付金があります。
さらに、育児休業中の健康保険料(介護保険料も含む)と厚生年金保険料は免除されます。免除となっても、健康保険証は使用できますし、将来受け取る年金も保険料を払ったものとして計算されます。
平成24年に成立した年金機能強化法では、産前産後休業期間についても健康保険料や厚生年金保険料を免除することが定められました。
実施は平成24年8月22日より2年以内となっていましたが、施行日が決定しました。
平成26年4月1日以降は、育児休業期間中の免除と同様、産前6週、産後8週は申出にもとづいて、事業主負担分、本人負担分ともに保険料が免除されます。
働くママには明報です。
産前産後休業中は、健康保険から給料(標準報酬月額)の3分の2が出産手当金として支給されるというものの、収入は減りますし、何かとお金のかかる時期です。
免除となるのは産前産後休業の間で、実際に働かなかった期間です。
産前6週については、法律上働かせてはならないという決まりはありません。中には出産ぎりぎりまで働く人もいます。働いて賃金を得ている期間については、産前6週に該当するといえども、保険料は免除されません。
それでは、出産が遅れたらどうなるのでしょうか。
健康保険の出産手当金と同様に考えて、遅れた期間についても免除の対象となります。
逆に予定より早く生まれたらどうなるのでしょうか。
予定日6週前から休業に入り、6週経過しないうちに出産ということもあります。
その場合は、実際に産前休業に入ったあとが保険料免除の対象期間です。
双子の場合はどうなるのでしょうか。
予定日の14週前から休業できますので、免除となるのもそのとき(実際に休業したとき)からです。
産後休業終了後に育児休業を利用せず、育児時短制度などを利用しながら職場復帰することもあるでしょう。
育児時短等で給料が低下した場合は、産前産後休業終了後の3ヵ月間の給料を基にして標準報酬月額を下げることができます。
休業前の高い保険料を負担することなく、実際の働き方に合わせた保険料を負担することが可能です。
これからの社会の支え手を増やすために少子化を食い止めたいという社会的背景もあり、働くママを応援する制度はさらに充実されました。
もちろん、子育ての環境を整えないと、少子化に歯止めはかからないでしょう。
保育所に入れない待機児童が問題になっていますが、いつでも入れる保育所も必要です。
そして、子育ては夫婦で協力しあうもの。パパの子育ても重要です。
利用している人は少数ですが、育児休業はパパでも利用できます。また、ママもパパも育児休業を利用する場合は、子どもが1歳2か月になるまで育児休業期間を延長できる制度(パパ・ママ育休プラス)があります。ママが1歳まで育児休業し、その後パパが2か月育児休業を取得することが可能です。
このように夫婦で育児休業制度を利用すると、パパも子育てにかかわることもできますし、ママの職場復帰後の生活に少しゆとりが生まれるでしょう。
さまざまな理由で男性が育児休業をすることは少ないですが、長い人生の中で、1ヵ月でも育児のために休業する時期があってもいいのではないでしょうか。
保険料免除については、健康保険・厚生年金に加入している人を対象としていますが、産前産後の国民年金保険料免除も検討課題にあがっています。
今後どうなるかは注目していきたいところです。
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