【 2009年 第5回 】ホントは男尊女卑? フランス気分
横川 由里(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
フランス男性は荷物を持ってくれるし、ドアも開けてくれるし、レディー・ファーストがしっかり身についています。
しかし、これは子どもの時からの習慣なので、とても普通のこと。反対に考えると女性が弱いから、このような習慣ができたともいえます。
レストランのメニュー、女性用は金額がない
カップルでレストランに行ったときはどうでしょう?
フランスのレストランでは、テーブルで会計を行います。カップルで会計を頼むと請求書は、必ず男性の方へ持っていきます。なぜなら、家計の管理はおもに夫が行っているため、男性が払うものと暗黙の了解があるからです。
男性が女性をディナーに誘ったときだって、男性が支払をするんです。
面白いことに、フランスの高級レストランでは、女性が値段を気にしないで、注文できるようにとの配慮から、メニューに値段が載っていません。もちろん、男性側のメニューには載っていますよ。支払いのとき女性は、ニッコリ微笑んで座っていましょうね。
日本人同士でレストランに行ったとき、「ね、フォアグラのソテーいくら?」「子羊のステーキは?」と日本語ならわからないと、懐の心配をしたこともあったっけ。
職場における男女差別
こんな差別なら悪くはないけど、男女差別はことに職場においてかなり根強く残っています。
1981年に政権をとった社会党は、特別に女性の権利大臣を設けたほどです。おまけに、この新大臣の初仕事が、「不平等社会におけるフランス女性」の実情分析報告でした。
テレビのルポルタージュでは「女性を管理職にした場合、男性よりも低い賃金で一生懸命働くため、女性を管理職に登用する」といった内容が放映されることも普通のことなのです。
見習いたいワークライフ・バランス
とはいえ、会社でバリバリ働いて上昇志向の女性には風当たりは強いですが、「生活を楽しむために仕事をしているのよ」という女性には、そんなに風当たりは強くはありません。日本人より、幸せ度は高いようです。
ワークライフ・バランスは見習いたいところですね。
男性の家計管理に賛成
家計管理について、私は男性が管理するのに賛成派です。なぜなら、大きな夫婦ゲンカの原因がなくなるから。
女性が家計の管理をしていると、「今月も赤字」「このままで生活が成り立つかしら」「将来の教育費が貯まらないわ」など、夫に足りないと詰め寄ってしまいます。
しかし、夫が家計を管理することによって夫自身に責任感が芽生え、足りないというのも自分で理解できるのはよいことですね。
人間誰でも、給料下がって困ったなと思っているところへ、奥さんから「どうするのよ!」って言われると、つい「ムッ」として、ケンカになってしまいますね。
日本とフランスのいいとこ取りをして、幸せ度を上げていきましょう!
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