【 2009年 第6回 】パリの交通事情 フランス気分
横川 由里(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
パリの広さは約87km²。よく、105 km²と書いてありますが、これはブーローニュの森やヴァンセンヌの森を足した大きさです。
森なので実際のパリは87km²と考えましょう。
東京の大田区がだいたい60 km²なので、大田区の1.45倍ほど大きさと意外に狭いのです。
パリの地下鉄
この狭さにもかかわらず、パリ市内には地下鉄1~14号線の14本 郊外列車RER A~E の5本で、合計19本。右に歩いても左に歩いても10分足らずでメトロの駅があるのです。
そのほか、バスが公共交通機関として運行されています。
コンパクト設計だから、役所や税務署、社会保険事務所、日本大使館など、短時間で移動が可能です。
パリはきれいな街だから、散歩がてらメトロの1駅2駅は平気で歩けてしまいます。なぜなら、中心部では、メトロで1分ほど走れば、隣駅へと着いてしまい、歩いてもあっという間なのです。
ストライキ
しかし、この便利な交通網もひとたびストライキに突入すると、さあ大変!明日はどうやって仕事に行こう?
もちろん、ヒッチハイクは怖いから、歩いて行くのよね。当時の私のアパルトマンから、仕事場まで歩くと1時間。
「行きはよいよい、帰りは怖い~♪」行きはさわやかに歩けますが、帰りはすでに疲れきっているので、足が痛くだんだん不機嫌になってきます。次の日も歩きました。
タクシーに乗ればいいって考えるでしょ?
運転手さんに、「明日はストライキだから稼ぎ時だね」
「何言ってんだ、俺たちもストだ!」
「えっっ!」
郊外へは帰る人のために、軍隊がトラックを出すこともあります。
要するに、パリの交通網はすべてRATPという公共機関が運営をしているので、メトロもバスもいっぺんにストップしてしまい、日本のようにほかの交通機関は存在しないのです。
バス
次にバスのお話をしましょう。日本でも朝バスに乗ると、混んでいてなかなか進まず、ついイライラしてしまいますね。もちろん、どの国でも事情は同じです。
パリの道路にも、バス専用の路線と一般の車の路線がありますが、徹底して分別しています。
ドラノエ・パリ市長が一部のバス・タクシー・自転車の専用レーンを広くしただけでなく、一般車が入り込めないように幅40センチ、高さ15センチほどのセメントで土手を設置。これで、少しはバスの交通渋滞が緩和されたようです。さすがに日本では、そこまで強硬に出られない、立派です。
路上駐車
最後にパリの路上駐車。これにはびっくり!車が隙間なく縦列で駐車しています。どうやって停めたのでしょうか?
無理やり狭いスペースに押し入り、停まっている車に自分の車のバンパーをあてて、ゆっくりと押します。同時に2・3台押して自分の場所を作るときもあるんです。ヨーロッパの車のバンパーが、どうしてボコボコなのかわかりますね。
フランス人いわく、「バンパーは、そのためについているんでしょ。へこむのが嫌なら、バンパーガードを付けるべきだ」
動画でお見せしたいです。
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