【2010年 第11回 ベンチャー投資で世界を変える】 資産運用に必要ないまどきの経済知識
有田 宏 ⇒プロフィール
リーマン・ショック後、株式の新規公開(IPO)は低水準で移行しています。
それどころか上場した新興企業の不祥事も加わり、これから上場を目指すベンチャー企業には冬の時代。
一方、わずかばかりの資産のある高齢者の懐を狙う“未公開株もどき”の詐欺が活況を帯びています。
しかし、責任を持った正しいベンチャー投資。選挙の1票だけで世の中を動かすのは難しいでしょうが、正しいベンチャー投資で世界を変えることも出来ます。では正しいベンチャー投資とは何か。ここではその2か条を書きます。
その1
資産の分け方を、資産の三分法ではありませんが、その性格から考えてみます。
上のグラフでベンチャー企業に投資するお金は“他人のために使うお金”をあてて下さい。
「他人のために使うお金などないよ!」といわれる方が多いと思いますが、無理のない小遣いの範囲で考えていただければ、少なくとも半分近くが国庫に納められる“宝くじ”に比べたら期待収益率は高いと思います。
“未公開株もどき”詐欺では巻き上げられたお金は、詐欺を働くような連中ですから、ろくな使い方をされないでしょう。
正しいベンチャー投資では、うまくいけば巨額の収益も期待できると同時に、世界の貧困を救う可能性もあります。
しかし、あくまでも“他人のために使うお金”。決して一攫千金を目論んでは投資をしないでください。
その2
お金を出す以上は口も充分に出してください。
株主総会にも出席しない。
出席しても何も発言しない。
経営に無関心では困ります。
ベンチャーで危険なことは経営者の暴走です。
経営者に対するチェックの責任は株主にあります。
“口を出す”とはいっても、あくまでも事業の長期的な成長のため。短期的かつ小手先の利益を求めたり、無理な配当要求は事業の失敗のもとです。
もっとも短期的に利益が増えたとしても上場していない限り株式の転売は難しいでしょうが。
そのためには充分な勉強をしてください。経営者の良きアドバイザーともなれば事業にとっても大きなプラスとなります。
株主としての責任を全うしないベンチャー投資は失敗のもとです。
まとめ
“ベンチャー投資で世界を変える”、大げさかもしれませんが、考えてください。
“ソフトバンク”や“楽天”、そして“マイクロソフト”や“グーグル”も最初はベンチャーでした。
これらの企業が我々の仕事や生活にいかに画期的な変化をもたらしたか。
インドの貧しい農村。いままでは農産物を。買い取り業者の言い値で売っていた
村にインターネットが入ったことにより農産物の市場価格が判るようになり、より高い価格で売ることが出来、村も豊かになっていく。
どのような辺地にいてもインターネット環境さえあれば、世界中の情報が簡単に手に入ります。
インターネット技術が無ければ、新興国も今のように経済発展していたかどうか?
インターネットに限らず、環境、エネルギー、医薬品、生活用品、たった一つのベンチャー企業が世界を変えることもあります。
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