【2008年 第2回 あなたの「家計年度」はいつから? 家計管理をあきらめないために…】地域コラム 近畿
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒ プロフィール
さまざまな要因が絡み合い、家計をとりまく状況は次第に厳しくなってきそうです。
私も、日々の買い物の中で、食料品など身近なものの値段が上がっていることを実感しています。
しかも、原油や穀物価格の上昇という世界的な事情が背景にあるため、一時的な影響では済まされないようです。
身近なものの値上げは、家計の支出を確実に圧迫します。
支出をコントロールするためにも、家計の管理をしっかりやる必要性が高まってきますね。
その一方で、今年こそは…と意気込んで始めた、家計管理のツール「家計簿」もこの時期にチョットつらいなぁと思い始める方も多いようです。
1月からスタートした家計簿を月末に集計してみた結果、せっかくの意気込みがトーンダウンしてしまう場合があるのです。
実は、年末年始の費用をどう扱うかがポイント。「ウンザリ」と「スッキリ」の分かれ道になる可能性は大です。
年末年始というのは、文字通り「12月末と1月初め」で、お金の流れが一体化したイベントが多いですよね。
帰省費用の交通費に加えて、手みやげをはじめとする親戚や友人とのおつきあい。
子どもがいる家族にとってはお年玉だけでも、バカにできないお金が動きます。また、最近では正月早々に冬物のバーゲンセールが始まることも多く、やはり大きな出費となることがあります。
このように、お財布の中身は年末年始で一体化して流れているのに、新しい家計簿は1月からスタートさせるとなると、1月末の集計時にうんざりしてしまうのも当然ではないでしょうか。
ところで。
文具店や書店をのぞいてみると、年末には所せましと並べられていた、さまざまな種類の家計簿やノートたち…。
2月に入って、店の片隅のワゴンにセール品となって置かれている風景を見かけることがあります。
代わりに台頭してくるのが、「4月始まり」のもの。
そうです。日本では、カレンダーと同じ「1月始まり」と「4月始まり」の2つをうまく使い分けているのです。
「4月始まり」は「年度」という1年の区切りで、国の予算を初めとする会計年度や学校年度に使われています。
“年?年度?”と、この使い分けが面倒だな~と感じることもありますね。
どうせなら、この「4月始まり」をうまく家計簿に取り入れてしまうというのはいかがでしょうか?
もちろん、「1月始まり」と「4月始まり」。どちらを採用するかは、あなた次第。
1年間のお金の流れを振り返ってみて、自分の家計が、何月で区切ると管理しやすいのかを考えてみてください。
案外、カレンダーにこだわらず4月始まりにしてみると、うまくいく場合があるかも。
給与生活者の場合、4月から給与体系が改定になる方も多いでしょう。
お子さんのいらっしゃるご家庭では、学校年度にあわせた方が、年間にかかる費用をつかみやすいかもしれません。
さきほど、ウンザリの種だった年末年始の費用も、「4月始まり」にすることによってスッキリすることができますね。1年間という視点から交際費や衣料費をとらえるのです。
そうすれば、「あ~あ、せっかく1月は他のやりくりがんばったのに、やっぱりダメね」と落ち込むことを避けられます。
1月の大学入試センター試験の後、ある新聞のコラムに「雪などの影響で交通機関の影響も受けやすく、またインフルエンザや風邪が流行するこのシーズンに、どうして子どもたちの人生を決める受験があるんだろう。もっと良い季節に変える検討をすべきではないか。」という文章を見かけました。
たしかに親心としては納得できる面があります。
この記事をきっかけに、「年度」のことをちょっと調べてみました。
すると、1月や4月だけではありません。生糸年度は6月、いも年度は9月、大豆年度は10月から、実は、各業界によっていろいろ…。
学校年度や入試の時期を変えてほしいと思っても現実的には無理だろうな~と思いますが、自分の家計年度は自由です。
自分が使いやすければ、1月や4月以外の区切りにしてもまったくかまわないのです。
大切なことは、「家計管理を投げ出さない、あきらめない」。そのために視点を変えて工夫をしてみましょう。
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