【2008年 第10回 今日もIt’s書!⑩ ~資産運用に向けて―-金融リテラシーを磨こう!~】地域コラム 九州・沖縄
平川 すみこ(ヒラカワ スミコ)⇒ プロフィール
銀行に喧嘩を売るような過激なタイトルに、なになに、どーゆうこと?と興味をそそられる方も多いでしょう。
かくいう私も好奇心で手に取った本なのですが、読み進めるうちに、こんなに理論的に、わかりやすく金融リテラシーの必要性と、その基本、身に着けていく具体的実践方法を表現できるなんて!と驚いてしまいました。
決して、銀行に喧嘩を売ったり、営業妨害をしているわけではないのです。
資本主義社会に生きる私たちにとって、より資産を有効に活用していくことは当たり前のことであって、その選択肢もたくさんある中で、よりによって不利な方法を選ぶ道理はないのではないか、というのが著者である勝間和代さんの伝えたいこと。
勝間さんは、外資系の金融企業で、コンサルタント、トレーダー、アナリストとして16年間プロとして関わってきた経歴を持つ、経済評論家。
プロの目から見ると、日本人の金融に関する知識の欠如は驚くほどだそうです。
金融の知識がないがために、本来なら得られるべき収入を放棄し(放棄しているという意識はなくても、預貯金だけをしていると相対的にそうなってしまうのです)、それがゆえに長時間労働による収入に頼らざるを得なくなっていることを認識させるべく、この本は書かれたといえるでしょう。
金融リテラシーを身につけることで、リスクとリターンをコントロールしながら、しっかりとお金にも働いてもらう。
運用による収入を得ることで、金銭だけでなく時間的・精神的な余裕も生まれ、また、投資を通じてより良い社会に発展させていくことも可能になる。
そんなおいしい話が・・・あるんです!
でも、金融リテラシーは一朝一夕で身につくものではないので、まずは意識を変え、時間をかけて経験を積み重ねながら向上させていかなくてはいけません。
とはいえ、毎日使ったり受け取ったりしている身近なお金のことなので、外国語の習得よりもやさしいはず。
外国語の単語や文法をマスターするように、金融リテラシーも正しい知識を身につけないと、誤った言葉遣い(運用方法)では、相手(金融社会)に通じないばかりか、大失敗をしてしまう恐れもあります。
そう書くと、外国語の勉強も苦手なのよね、何年たっても喋れないし・・・と苦い想いがよぎるかもしれません。
そう、外国語の勉強も単に単語や文法を覚えたってちっともおもしろくないんです。テストでいい点取れるくらいでしょうか。
やっぱり外国の方と自由に楽しく会話できる。伝えたいことがスラスラ流暢に口からでてくるようになるのが、外国語をマスターする醍醐味。
そのためには、外国語で○○するぞ!という動機づけが大事です。
同様に、金融リテラシーも勉強したい!と思うような動機がないと、面白みもないし、なかなか身につかないでしょう。
金融リテラシーがなぜ必要なのか。身につけると自分にとってどんなにいいことがあるのか。
そこを飛ばして勉強してもはかどりませんね。
本書では、読者に気付きを与えるとともに、金融リテラシーを身につけるのとつけないのではどのように違うのかをわかりやすく述べることで動機につなげ、また、壁を低くして、誰でも今すぐにでも始められる方法を説いて、スタートを踏み出しやすくしてくれています。
また、そうは言っても、運用するお金なんてないよ!という方にも、月々投資に回すための原資の作り方も指南されている上、あとは知識と経験をどう重ねていけばいいのかをステップごとに説明。ここまで具体的に書かれていたら、今はまだやれないワ、なんていういい訳は通用しなくなるでしょう。
そう、大事なのは時間。時間は限られています。そして、その間にも刻々と過ぎてしまっています。
早くから運用を始めているのと、運用の機会を後延ばししてしまっているのでは、未来の結果は大きく変わってきます。
そして後になって思うのです。もっと早く始めておけば良かったと。(外国語もそうですよね)
でも、何事もいつから始めても遅すぎるということはないのです。
興味を持って本書を手に取り、読んでみて、やってみようかな、が、まさにあなたにとって、金融リテラシーを学ぼうと身体が反応している絶好のタイミングなのです。さあ、今すぐ始めましょう!
と、ちょっと熱くなってしまいましたが、本書は金融の知識がないために、今まで知らず知らず損をしながら過ごしてきたことに大いに気づかせてくれる本です。
自分の未来を自分でコントロールし充実させるためのテキストとしてぜひ読んでみませんか?
『お金は銀行に預けるな ―金融リテラシーの基本と実践』(勝間和代著、光文社新書)
本の紹介URL:http://www.bk1.jp/product/02939585/
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