【2008年 第4回 どうなる?クールジャパン(クールビズとは無関係)のこれから】地域コラム 九州・沖縄
西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒ プロフィール
ヤフードーム行きのバスが都市高速に上がるとき、右手に「まんだらけ」の福岡店が見えます。ちょっとばかり盛り場から外れた場所。私もめったに行かないのですが、コミックの古本を探している時など念のために覗くことがあります。
ここの上層階には、かなりマニアックというか、カルトっぽいというか、同人誌がおいてあったり、コスプレ衣装が展示されているコーナーも。へぇ~、福岡にもこういう趣味の人がいるんだ、って思いました。皆さんの周りにコスプレ趣味をお持ちの方いらっしゃいます?
まだまだ少ないのでは。
と思っていたら実は福岡でも3/2に海ノ中道で「コスプレピクニック」という行事が行われておりました。盛況だったらしく、女子更衣室が足りなかった等の反省の弁もネット上に。こういうマニアの方の行事って以外と礼儀正しいんですよ。周囲に違和感など与えないように、会場に来てから着替えるとか、荷物を放置しないとか、(不快感を与えないように脛毛は剃って・・・には笑いました)参加者にけっこー細かい規則を守るよう求めています。
ヤフードームでも行われている通称コミケも、沢山の入場者に色々とエチケットを・・・とこの記事のために下調べをしたら、びっくり。「コミケ」という略称は「コミックマーケット」を指し、(有)コミケットの登録商標。東京で行われるものだけが正統な「コミケ」と言う訳です。
1975年に青焼きコピーの同人誌の展示即売会として32サークル、一般参加者700人が東京消防会館会議室に集まったのが最初の「コミケ」。80年代には一般参加者が1万人を突破。企業もブースを出すようになり、コスプレイヤーも参加、96年からは会場も東京ビッグサイト、ついには3日間通しで行われるようになったそう。2007年の最大来場者数は55万人!千冊以上の同人誌を売り上げるサークルもあるとか。凄いなぁ、印刷、交通費、来場者の飲食等考えると、この経済効果はかなりGDPを押し上げているのでは?
日本のマンガやアニメは世界に誇れる文化、政府も積極的にこの分野の振興を図ろうとしているとか。ローゼン閣下こと麻生太郎衆議院議員が次期首相になったら、ますますヒートアップするのかしら、という冗談はさておき、「昔はポケモン、ドラゴンボール、最近はナルトも海外で人気」という話や、「2002年には少年ジャンプの英語版が米国で出版される」というニュースは覚えていますが、2004年からはスウェーデン、ノルウェー、ドイツでも現地語でジャンプが出版されているそう、知りませんでした。
なかなかやるじゃないですか、日本のマンガ。
このような状態をメディアは「クールジャパン」と呼ばれる日本ブームだと報道していました。車、半導体に次いで日本を代表する新しい貿易分野となるのか?出来れば新たな経済活性化の牽引車として湿りがちな日本経済に活を入れて欲しいものですね。
【日本漫画 海外の状況 普遊社の調査より】
とはいえ、少子化のせいもあってか、出版科学研究所の調査によれば、日本漫画雑誌の発行部数(少年・少女誌)のピークは1991年の8億冊。以降右肩下がりの状態で、06年は約5億冊に減少しているそう。確かに大人になって卒業していく人だっている所に少子化ですからね。クールジャパン、本家が揺らいでしまっては今後の海外ブームは大丈夫でしょうか。この点も目が離せませんね。
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