プライベートブランド商品、どんどん増殖中【2008年 第9回】

【2008年 第9回 プライベートブランド商品、どんどん増殖中】地域コラム 九州・沖縄

西谷 由美子(ニシタニ ユミコ)⇒ プロフィール

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、ダイエー行ったら、これ、安かったぞ~!」
お散歩帰りのおとうさんは、ついでに立ち寄ったスーパーでお買い得商品を見つけたのでご満悦。

「どらどら、採点してあげませう。」と、節約好きのお母さんがチラッと見れば、それは清涼飲料水、1.5リットル、¥148。

うんうん、ご近所のディスカウントショップといい勝負の値段じゃない、よし、よし、、、ってちょっと待ってよ。おとうさん、「ダイエー」に行ったってぇのに、このペットボトルには「トップバリュ」って書いてあって。それはダイエーじゃなくてイオングループの商品じゃないの。ダイエーの向かいにあるジャスコに行ったんじゃないの?

おかあさん、おとうさんが熱中症になって意識が混濁しているのでは?と疑いました。というのは半分冗談。私のほうが忘れていたんです、イオンとダイエーが業務提携していたことを。ですから、イオングループのプライベートブランドの商品をダイエーに置いてても不思議ではないんですね。

さて、近頃話題のプライベートブランド商品(以下PB)。登場はかなり古く、ダイエーやセイユーがハシリのような気もするのですが、最近脚光を浴びているのは、イオンやセブンイレブンに置かれているもの。

何しろ、便利だけどちょっと価格が高めだったコンビニでも、フツーのスーパーよりお安いPB商品が棚ひとつを占領しています。賢い消費者の皆様はご存知でしょうが、その驚きのお値段をご覧ください。(ほぼ同様の品を西谷とその友人で調査。2008年8月末時点。単位:円)

 

 

 

イオンのトップバリュは94年に誕生、現在は約5000品目、年間売上高2600億円だそう。対するセブングループのセブンプレミアムは昨年5月の誕生、1年後には目標売上高500億円に対して800億円に達したそうです。たいていの消費者の皆さんは、特に最近、価格に敏感。また、いかに広告宣伝費、物流コスト等もろもろの中間マージンが大きいかを実感させる数字ですね。

このPB商品の両雄ですが、それぞれ細かいところに違いがあるのはご存知でしょうか?イオンの場合、商品のどこを探しても、その商品を製造したのがどこのメーカーなのかは書かれていません。それに対してセブンプレミアムの場合は、製造したメーカーがしっかりと明記されています。前者は商品開発において研究所を立ち上げ、各メーカーに仕様書を作成して発注。顧客からのフィードバックはイオンに集約して仕様書に反映することで、責任自ら引受けている感じ。対して後者は「生産履歴の一環」として表記することを掲げ、ディスクロージャーを重視しているそうです。

先日の消費者物価発表、またまた上昇の報道がありましたね。ますます低価格商品への需要が増していくことだと思われます。「消費者」としては、上記どちらの方式であっても、「信頼できる商品がお手軽な価格で購入できるのは、本当に助かる」のがホンネでは?これからも売り上げ、商品の分野共に拡大を続けていくであろうPB商品。小売業の両雄のどちらが勝者となるのか?ウォッチしていきたいなぁとおもう今日この頃であります。

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