地方における教育費【2011年 第12回】

【2011年 第12回】 地方における教育費 ~家計コラム 教育費(地方)~

キムラ ミキ  ⇒ プロフィール

 

 

 

教育費について

地方における教育費について今年1年お話をして参りましたが、地方における教育費を考える上で、何かひとつでもお役に立つことができていたら嬉しく思います。今回は地方における教育費について考えてきて、感じた総括的なお話をさせて頂こうと思っています。

教育費について、その金銭的な準備を考えることについて、あれこれとお話をしてきましたが、それと同じくらい大切な、考えておくべきことがあるように思います。

お金と同じくらい大切なモノとは?

教育費の準備、進学の先にあるものは、お子さまの社会人としての自立。そこには、仕事の選択という大きなイベントが待ち受けています。
しかし、進学後の進路について「どんな仕事をしたいのかわからない」と迷い道に入り込んでしまう学生も少なくないとか…。それでは、何のために進学をさせたのか分からないと泣きたくなってしまう親御さんもいらっしゃるかもしれません。

世の中には様々な業種、職種があります。インターネットが普及した現在だから、調べようと思ったら、どんな仕事があるかなんて、すぐ調べられそうに思いますよね。しかし、それは検索する目的があってこそ成り立つものではないでしょうか。

どんな仕事についてみたいか、どんな仕事に興味を魅かれるかは、こんな仕事があるということを見たり、聞いたり、体験したり…、といった機会があってこそ、インターネットで検索するなど、さらにもっと、その仕事のことを知ってみたいと思えるようになるのだと思います。

見たから、聞いたから、体験したから、すぐにその仕事に就きたいとか、その思いがずっと持続するとか、ということは少ないかもしれません。ただ、お子さんなりの関心のアンテナが「何」に対して反応するのか、その「何」を感じる機会が増えるとさらに掘り下げて自らの仕事について考える、いいきっかけになるように思います。

親子で話してみる機会を

自らの仕事について考えるきっかけ作りがもたらす効果は2つあるように思います。

自らの仕事について考えるきっかけ作りは進学に対する目的をはっきりさせることにつながります。それは、進学後の進路について「どんな仕事をしたいのかわからない」と迷い道に入り込んでしまう学生になることを回避することにつながるものと思います。

次に、コラムの中でも触れましたが、卒業間近になってから突如、「進学する!」という話が飛び出すケースも多いようです。しかし、自らの仕事について考えるきっかけ作りにより、様々な業種、職業を目や耳にすることで、関心のアンテナが反応した仕事の為には、どのような進路をたどる必要があるか、予め下調べをするでしょう。結果として、いきなり進学、といった非常事態を回避することができるように思います。

自らの仕事について考えるきっかけ作りが大切だとはいえ、それをお子さまに任せっきりにするのでは、少々心細いように感じます。日頃から将来の夢などについて、お話される機会を作り、その夢実現のためにどうしたら良いのか、を親子で話し合うことで、計画的な教育費準備が進んでいくことにつながっていくのではないかと、私は考えます。

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