【2006年 第6回】[結婚]熟年結婚の様々な課題
安藤 朋子 (アンドウ トモコ)⇒ プロフィール
「新婚」「新居」と言えばどうしても若い方たちのことを思い浮かべてしまいますが、今回は年齢を重ねた方対象のコラムを書きたいと思います。
昨年放送されていたドラマの影響で、「熟年離婚」という言葉を最近よく耳にします。
この言葉は別に新しい言葉でもなんでもなく、ご主人が定年退職した途端、奥様から離婚を言い渡されることは昔からあることでした。
件数が今ほど多くなかったためあまり注目されていなかっただけなのです。
熟年離婚のことを書き始めたら際限なくなりますので今回はやめておきます。
熟年結婚
離婚をすればその先には「再婚」という選択肢も当然あります。
あまりに辛い離婚劇の末、一生独身で・・・と瞬間的には思うことはありますが、やはり長い人生ずっと独りは寂しいものです。
年を重ねれば身体も気持ちも心細くなります。若い頃のように強気ではいられないものです。
そんなのはイヤだと強く思うが故なのか、最近の中高年者はとにかく元気です。気持ちも思考も若いです。
恋愛に年齢は関係ないと、臆することなく青春を謳歌しています。
そうなれば当然再婚もアリです(これが「熟年結婚」です)。
熟年結婚の事情
問題はここからです。
結婚と言っても若い人がするそれとは大きく事情が異なります。
お互いに初婚ならば問題はありませんが、年齢が高ければ高いほど、すでに成人した子供がいる場合が多いでしょう。
また高齢の両親を抱えている場合もあります。
若い人が結婚する時よりも、周囲の人間関係がダイレクトに影響するのが熟年結婚です。
自分たちだけのことを考えればいいと言うには年齢を重ねすぎています。
熟年結婚を取り巻く状況
具体的にどんなことが問題なのかというと、お互いに子供がある場合、お互いの相続問題があります。
子供の立場とすれば、自分の親の財産は自分がもらえると勝手に思っています。
それなのにある日突然再婚相手が登場して、いざ相続が発生したらその配偶者にも相続権が発生し、子供としては自分の相続分が減り納得いかず争族問題に発展する可能性が高くなります。
また、再婚する当事者が中高齢ですから当然その両親たちもそれなりの年齢です。
そしてこれから新しい人生を・・・という時に自分の両親の面倒(介護)を見ることになり、ついでに再婚相手の両親の面倒まで見ることになる・・・ということも無きにしもあらず。
そうなるとなんのために再婚したのかわからなくなります。
事実婚という選択
ではどうしたらいいのか?
これらの問題を回避するには入籍しないことです。事実婚です。配偶者にならなければ相続権も発生しません。
どうしても入籍したい場合には、配偶者には何も残さないという遺言を残すなどの策を取ればよいでしょう。
しかし両親の面倒を見るという問題を回避するには事実婚の場合は難しいかもしれませんが、お互いの幸せを第一に考えて、人の手を借りて介護することも考えましょう。
介護は「我慢せず、無理をしない」がコツです。人の手に任せることは決して悪いことではありません。
せっかく第二の人生の再婚です。幸せにならないと。
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