お金の育て方【2011年】

【2011年】 お金の育て方

横川 由理⇒ プロフィール

 

庭のお手入れ

秋が近づいてくると気になるのが、お庭の手入れ。
夏の暑い間は、植物が弱ってしまうから植え替えや肥料をあげることができなかったけど、これからは、冬や来年以降に備えた環境作りが大切となります。

1年草はそのまま枯れてしまうので、お手入れはしなくてもよいのですが、多年草や宿根草はこれからが勝負です。
そう、植物は急に大きくはならないもの。
大きくきれいに咲く日を夢見て、地道な努力が必要となってくるのです。

特にクリスマスローズは、冬の間さみしくなった庭をシックにあやどってくれます。
冬1番で咲くクロッカスや水仙、チューリップなどの球根類は、そろそろお庭のレイアウトを考える時期です。
それぞれ特徴を把握し、色味や形、高さなどを考えてバランスよく配置しましょう。パンジーなどと組み合わせるのも素敵です。

植物が花をつけるのは、植えてから結構早いもの。
数ヵ月から半年以内には、きれいな花を観賞することができます。でも中には、何年もかかる花だって存在します。
さらに、果物だと「桃栗3年、柿8年……」というように、もっともっと長い期間が必要となってくるものもあるでしょう。

お金もお手入れが大事

そんな植物のお手入れと、お金のお手入れはそっくりです。
同じ植物(金融商品)であっても、季節、日あたりや場所などの環境(経済状態)によって、お手入れの方法は違ってくるものです。

植物(金融商品)の選び方や育て方を間違えると、花が咲いて実がなるとは限らないということ。
また、花を咲かせたり、実をならせるためには10年、20年というように長い時間がかかるということです。

そう、お金を育てても大きくなるとは限らないし、場合によっては枯れてしまうのです。
大きく育てるためには、その環境、つまり金利、為替、株価、債券の動向など、現状の把握が大切となってくるのです。

金利がゼロに近い場合

「現在の金利はゼロに近い。これ以上、下がることはあり得ない」と考えるなら、長期間の固定金利である商品に投資をするのは間違いです。
変動金利やなるべく期間の短い商品を探しましょう。
終身保険や個人年金保険などの保険商品だって、長期の固定金利商品だということを忘れてはなりません。積立利率変動型など、将来の金利の動向に応じて、金額も増えるようなものを探してください。

 円高・円安、株価が上下した場合

「円高が進んできたけど、これから先は円安に向かう」と考えるなら、外貨建ての商品を仕入れなければなりません。一方、もう少し円高になると思っているなら、様子を見ることや、少額から購入する時期をずらして投資を行ってみましょう。

「株価がさらに下がりそうだ」と思ったら、やっぱり様子見です。ネット証券で購入している方なら、かなり低めの値段で買い注文を入れておくのもよいでしょう。株価の上下に、いちいち惑わされずにすみます。

これからの世界が発展するために、必要な技術を持った企業を探してみましょう。たとえば、太陽光などの新エネルギーや土や水をきれいする企業株などはいかがでしょう。

債券は安全?

「債券は安全だ」といわれています。日本円建ての債券だと、期間がくれば投資をしたお金は、全額返ってきます。俗にいう「元本割れ」しません。もちろん、投資先が破たんしないことが第一条件。
とはいえ、ギリシャやアメリカの国債問題でわかるとおり、貸した先が破たんしないという保証はないわけです。
また、債券は固定金利でありなおかつ、長期の商品ですから、金利の上昇やインフレなどに備えることはできないことに注意が必要です。

今、価格急上昇中の「金」は?

今、価格急上昇中の「金」はどうでしょう。ほかの金融商品と違って紙切れにならないということから、人気がでてきています。
さすがに、値段が上がり過ぎと考える方がたくさんいらっしゃることでしょう。

しかし、金の値段が下がったとしても、円安が進んだらどうなるのでしょか。金は米ドル建てですから、円安が進めば日本円建てでの金価格は上昇します。
つまり、金自体の価格の変化と為替の変化の両方を受けてしまうという特徴があるわけです。

自分の庭は、広かったり狭かったり、日あたりの関係もあるでしょう。でも、季節によって日の当たり方は違うもの。
ちょっと前に投資を行った方法がうまくいったからといって、これから将来も大丈夫なわけではありません。

お庭をきれいにするように、バランスのよい組み合わせを考えていきましょう。
アンテナを張って、情報を集めて、そしてお勉強。これこそ、きれいで大きな花を咲かせつコツなのです。

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