【2011年 第8回】 フランスのロックコンサート ~フランス気分~
横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒ プロフィール
ロックコンサートはどこの国で行っても楽しいけど、フランスでは、基本的になんでも自由。ビールを片手にサンドイッチを食べながらでもOK!
めちゃくちゃだけど、秩序あるフランスのロックコンサートとは?
フランスの音楽
フランスの音楽というと、“シャンソン”が有名。フランス語の独特な響きとシャンソンはとてもぴったりです。
でも、フランス語でロックを歌うと“ダサい!” 少し違和感があるのです。
フランス語のロックに慣れてくると、その“ダサさ”も魅力となってくるのです。
ロック好きな私はもちろん、フランスでもコンサートに通いつめました。
日本のように席は決まっておらず、サッカースタジアムで行うのが一般的。
ロックコンサートの料金
どこでも一律の料金となっています。
もちろん、代金は安く3,000円以下ですよ!
若い元気な人は、開場時間の午後2時前から、ゲートへ並びます。
開場と同時に走って、目指すはステージ前!
押し合いへしあい、ひたすら何時間も目当てのミュージシャンを待ちます。
季節によっては、暑いので前にいる警備員が、ホースで水をまいてくれることも。
そう、フランスではコンサートにおしゃれをしていく人はいません。
汚れてもよい恰好で、小銭をポケットに入れ、手ぶらで行きます。
いよいよコンサートが始まると、みんなは大騒ぎ!
特にステージ前では興奮したり、酸欠で倒れる人も出てきます。
暗黙のルール
さて、ここからがビックリ。
フランスが個人主義なんて、違うというのがお分かりいただけるでしょう。
隣の人が意識を失ったことに気がついたら、周りの人が倒れた人を持ちあげて、みんなの頭の上を運び、ステージ前の警備員に引き渡します。
つまり、将棋倒しにはならないルールが暗黙のうちにできているのです。
日本では昔、北海道で行われたロックコンサートで、残念ながら死亡者が出ました。
それ以来日本のコンサート会場は、前に走っていけないように柵を設けてしまったのです。
中学生の時に初めて行ったエアロスミスのコンサートでは、まだ柵がなく、武道館のステージ前で大興奮したのを覚えています。
始まる時間も遅く、8時ごろ開演して11時過ぎまで、というのが通常のスケジュール。
しかし、屋外のサッカースタジアムで、デビット・ボウイのグラススパイダー・ツアーにいったときの開演は、なんと夜10時でした!
というのも、フランスの夏は10時過ぎまで明るいからです。
グラススパイダー・ツアーでは、文字どおり、ステージの上に、電気でデコレーションされた“蜘蛛”が備え付けてありました。
つまり、暗くならないと“蜘蛛”の電気がみえないから、グラススパイダーにならないのです。
終わったのは、次の日の1時過ぎ。電車はもうないわ。みんなどうしたのかしら?
長い時間ですが、会場内には売店がありますから、お腹がすいたらフレンチフライやビールをいただきます。
以前、コンサート会場でのタバコはOKだったけど、今は禁煙法があるので、NGです。
自由なようで、秩序あるロックコンサート。
弱い人のことは、積極的に助けます。
日本でもこんな風になるとよいですね。
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