頼れるケアマネージャーを【2011年 第3回 】

【2011年 第3回】 頼れるケアマネージャーを ~実録介護保険~

浅川 陽子(アサカワ ヨウコ)⇒ プロフィール

在宅介護の決め手はケアマネージャー。頼れるケアマネージャーは介護する家族にとって強い味方です。

 

 

 

要介護(支援)の認定を受けたら、サービスを受けるために、ケアプラン(「介護(介護予防)サービス計画」)の作成が必要になります。このケアプラン作成を行うのが「ケアマネージャー(介護支援専門員)」です。

<ケアマネージャーの役割は大きい>

介護保険法によれば、介護支援専門員は「要介護者等(要介護・要支援者)からの相談に応じて、要介護者等がその心身の状況等に応じた適切な在宅(居宅)サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービスまたは地域密着型介護予防サービスを利用できるよう、保険者である市町村、サービス提供事業者(事業者や施設)等との連絡調整を行う者」と規定されています。

簡単にいえば、利用者や家族の希望を聞き、利用者にとって必要なサービスは何であるかを把握し、利用者にとって負担にならない予算でサービスの計画を立て、サービスが実行されるように事業者に指示・調整を行うのが「ケアマネージャー」ということになります。つまり、介護保険で納得のサービスが受けられるかは「ケアマネージャー」の腕にかかっているともいえます。

<「要介護」と「要支援」のちがい> 

要介護の人を担当するのは「居宅介護支援事業者(都道府県の指定を受けた専門機関)」に所属するケアマネージャー、要支援の人を担当するのは「地域包括支 援センター」に所属する保健士等になっていますが、要支援の人でも、「地域包括支援センター」から委託を受けた「居宅介護支援事業者」のケアマネージャーなら担当してもらうこともできます。

例えば、親のうち一人が「要介護」ともう一人が「要支援」の場合、それぞれ別のケアマネージャーが担当するよりは、1人のケアマネージャーの方が「ケア プラン」も作成しやすく、このような場合は「要支援」「要介護」両方を担当できるケアマネージャーの選定をした方がよいでしょう。

<ケアプランは今のところ無料で作成してもらえる>

ケアプランはケアマネージャーだけでなく、自分で作成することもできます。その場合は、市区町村に届け出て確認をしてもらう必要があります。最近では、 自分でケアプランを作成するための参考書も書店に並ぶようになりました。ただ、自分で作る場合は、各介護事業者への連絡も自分で行わなければなりませんし、費用の支払いも、いったん全額を事業者に支払い、後で市町村に請求して、9割分を償還してもらわなければなりません。

現在、ケアマネージャーに作成してもらう場合の作成費用はすべて介護保険からの給付になり、利用者の負担はありません。無料で専門家が作成してくれるわけですから、今のところはケアマネージャーを活用した方がよいでしょう。

今回の介護保険制度の見直しで、給付額の増大を抑えるために、この「ケアプラン作成費用」について利用者にも負担してもらおうという案もでていましたが、 今回は見送りになりました。将来、ケアプランの作成費用の自己負担が課されると自分でケアプランを作成する人も増えるかもしれません。

<頼れるケアマネージャーを選ぼう>

状況が変わったり、現状のケアプランだと不都合が生じる場合は、いつでもケアマネージャーと相談しプランの変更を行うことができます。また、利用者にあったプランを作成してくれないと感じた場合は、ケアマネージャーを変更することもできます。

ケアマネージャーを活用するのであれば、やはり頼れるケアマネージャーを選びたいものです。頼れるケアマネージャーとはどんなマネージャーでしょう?「地域の介護事業所等についての幅広い情報をもっているか」、「状況が急変した時に素早い対応をしてくれるか」、「介護する家族を尊重してくれるか」等がポイ ントでしょう。ケアマネージャー選びに悩む時は「地域包括支援センター」で相談するのもよいでしょう。

在宅介護も長くなると、家族の心身も疲れてきます。介護について相談できる相手、それはやはりケアマネージャーです。日頃からケアマネージャーとの信頼関係を築いておくことも、介護を長続きさせる秘訣です。

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