働く女性のお給料って、今と昔ではどのくらい違うの【2011年 第3回】

【2011年 第3回 】働く女性のお給料って、今と昔ではどのくらい違うの ~ウチの家計簿、武士の家計簿~

西谷 由美子⇒ プロフィール

女性の社会進出なんて想像できない頃ですが、稼ぐ女性もいたんですね。さて、どんな職種でおいくらぐらいでしょう?

 

 

 

 

 

 

可処分所得、女性が男性を抜く

今年の初めでした。「ええ~っ」って記事を目にしたんです。
「可処分所得、女性が男性を抜く」

その内容はというと、「総務省が5年に一度行う2009年の調査結果によると、単身世帯のうち30歳未満の若年層で、女性の可処分所得は21万8156円 (+11.4%)、男性は21万5515円(-7%)と、2004年の調査から逆転。なお同層では失業率も女性より男性のほうが高い。」

ちょっと気になる内容なので続けますが、「この5年間で国内製造業の雇用は77万人も減少した。若い男性が働く工場は、すでに日本から消えつつある。一方、高齢化を背景に、若い女性が求められる医療、福祉分野の雇用は90万人も増加した。」だそうです。
女子会ブームなど、働く女性の旺盛な消費活動は毎日目にしている昨今ですが、その背景にはこのような事実があったのですね。

近年、10~20代ではキャバ嬢の名前が挙がって話題になったこともありましたが、女性の職業として定番、憧れのものは客室乗務員(いわゆるスッチー)、通訳、女子アナ、エトセトラ。手堅いものは看護師や先生、公務員ですよね。

お江戸の女性の職業は

はてさて、男性中心のイメージが強い武士の家計簿の時代。女性が付ける職業にはどのようなものがあったのでしょう。私のよく観るTV時代劇では女医さんや 女火消、十手持ちが活躍しております。陽炎のお銀さまはレアケースですけど、博多座には「大奥」がかかってたのを思い出し、、、行儀見習いを身につけ、箔をつけるって意味でも、大奥はアリですよね。

調べてみますと、大奥で働く女性は1000人から多い時は3000人も。その職階としては最上級の上臈御年寄(じょうろうおとしより)から、御年寄、御中臈(おちゅうろう)、お目見え以下の御三の間(おさんのま)や一番下の雑用係御半下(おはんした。おすえとも言う)などがあったそう。

 

大奥のお給料

お給料は先月のお話と同様に切米がメイン。その他には衣装手当の合力金(ごうりききん)、米以外の食料手当の五菜銀(ごさいぎん)も支払われたとか。上臈御年寄は切米100石、合力金100両。御中臈は切米12石、合力金40両。御三の間は5石と15両。御半下は4石と2両。
先月の換算表を使って計算しますと、上臈御年寄りは合計5700万円。御中臈4440万円、御三の間585万円。御半下168万円。

ふぇ~。下のほうは今と比べても「なるほど、そんなもの」ですみますが、さすがは上臈御年寄。こちらは御台所様に付き従って江戸へ来られた公家出身の女性がその位につくことが多く、将軍様ご夫妻の御用、ご相談係だけあって、ものすごい高給取りですよね。もちろんその収入の範囲で自分の使用人を雇わなければならないという事ですし、身分的に誰でもなれるものではないですが。気苦労が多そうですが、当時の働く女性としては、これ、最高位そして待遇もなかなかの ものではないでしょうか。

江戸時代というと、女性の権利は今ほど確立していなかったという認識が一般的ですが、ごく一部とはいえ、なかなか「稼ぐ女性」もいらっしゃった・・・いや あ、これは意外な発見でした。とはいえ、給湯器も電子レンジもなく、プライバシーという概念、何より労働基準法もない時代の住み込み御奉公。年収500万円超でも私はちょっと遠慮したいですけどね。

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