平均寿命が証明する「東海地方は夫唱婦随」?【2005年 第4回】

【 2005年 第4回 】 平均寿命が証明する「東海地方は夫唱婦随」? ~老後

大沼 恵美子(オオヌマ エミコ)⇒プロフィール

日本の平均寿命

日本の総人口が減少していく中で着々と進んでいる「少子高齢化」。

厚生労働省が平成17年7月に発表した「平成16年簡易生命表」によると、平均寿命は男性78.64歳、女性85.59歳と共に僅かではありますが伸びました。平均寿命の男女差(女性の平均寿命-男性の平均寿命)は6.99歳、女性のほうが約7歳長生きするのです。

都道府県別平均寿命

これとは別に厚生労働省では「都道府県別平均寿命」を5年毎に作成しています。最も新しい「平成12年都道府県別生命表」によると、男性の全国平均の平均寿命は77.71歳、女性は84.62歳、平均寿命の男女差は6.91歳です。この差が岐阜県では6.23歳(全国46位)、愛知県では6.21歳(同47位)。

これは、夫を見送った後の妻の存命期間が、愛知県では全国平均よりなんと0.5歳も短いことを意味します。ちなみに1位は沖縄県で、女性が8.37歳長生きします。

平均寿命とよく似た「平均余命」

さて、平均寿命とよく似た言葉に平均余命があります。平均余命とは、「ある年齢の人が今後平均して何年生きるか」を示す数字のこと。したがって、平均寿命は「0歳の人の平均余命」と言い換えることが出来ます。

「平成16年簡易生命表」によると男性の平均寿命は77.71歳。一方、65才男性の平均余命は18.21歳です。という事は、現在65才の男性は83.21歳(65歳+18.21歳)まで生きることになります。平均寿命と平均余命の差は実に5.5歳! ライフプランやリタイアメントプラン、保険の保障額を算出するためには平均寿命ではなく平均余命を使う、平均寿命より平均余命の方が重要、というわけです。

全国平均よりかなり低い東海地方の男女の平均余命差

「平成12年都道府県別生命表」によると、65歳時の男性と女性の平均余命の差(女性の平均余命-男性の平均余命)は、岐阜県で4.55歳、愛知県では4.54歳。全国平均が4.9歳ですから、東海地方の男女の平均余命差は全国平均よりかなり低くなっています。

また、愛知県の女性の平均余命も全年齢通して全国第42~45位、岐阜県は同第36~39位とやはり低いのです。以上の数字から考えられることは、「東海地方は夫唱婦随=女性は1人では長生きしない」、それとも「女性が働き者」、はたまた「女性には厳しい環境」……。
さて、あなたはどう思いますか?

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