お金に苦労しない老後を【2009年 第 1 回】

【 2009年 第 1 回 】お金に苦労しない老後を 相談コラム

高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール

 

 

 

  • 相談者
    夢みるオシドリさん
  • 家族構成
    夫(63)会社員
    夢みるオシドリさん(55)パート
  • 相談内容
    夫は8年前に定年退職して、別の会社に再就職。二人の子どもは独立して、現在は夫婦二人暮らしです。どちらもローン嫌いの現金主義。家のローンは10年前にまとめて返済しました。
    1年半後には主人も私も退職し、年金生活に入る予定です。収入は今より減ると思いますが、人生も後半。お金に苦労しないで、有意義な楽しい人生を送りたいと思っています。今後どのような点に注意していけばよいか、保険の見直しや老後の資金についてアドバイスをお願いします。
  • 収支表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 回答

50代のうちに、ローンや借金とは無縁の体質に転換されたことはご立派だと思います。そのため現在の家計には余裕も感じられます。

が、退職後は現在の給与と年金収入との差額分を預貯金から取り崩しながら生活していくことになります。その退職後の生活の柱となる年金額は、社会保険庁のHPで試算することができます。
こういったサービスを利用して、生活設計の見通しをより現実的なものにしましょう。

仮に厚生年金への加入が40年、平均標準報酬月額(生涯給与の平均)を35万円とした場合、65歳以降の年金は約20.1万円です。現在の基本生活費が月額34万円(月払保険料と積立を除外)。
退職後も今と同様の生活を続けるのであれば、月々13.9万円の赤字と賞与からの支出65万円の年間計231.8万円というペースで貯蓄が減少していくことになります。

退職時までに、その後の生活の中で、譲れないものと節約していいものをご夫婦で話し合っていかれるとよいですね。例えば、旅行にはお金をかけたいから車は1台処分しようなどというように。

保険についても、一方、入院保障についてですが、不安はキリがありませんし、将来必ずしも長期入院を伴うとは限りません。特別な事情がなければ、ガン保険を先に契約した終身保障の一本に絞り、他の疾病にも対応できるタイプの医療保険を検討されては如何でしょうか。ただし、新たな保険料の支払いが逆に負担にならないように注意しましょう。

大切な預貯金を安全確実に管理するために、終身年金の一時払いを利用するなどして、取り崩すばかりにならない工夫が必要かもしれません。また、支出については、住宅の維持・改修やその他金額の大きな出費等についても考慮してみて下さい。
余裕を楽しみながらも節約を心がける、そのバランスが大切です。

このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したモノです。

 

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