【 2009年 第 5 回 】まず夫婦で家計の現状確認を 相談コラム
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール
- 相談者
るらおくらさん一家 - 家族構成
夫(37)会社員、るらおくらさん(36)主婦
長女(8)、長男(4) - 相談内容
夫は単身赴任中。私と子どもたちの生活費の残りで夫が自分の生活費をまかなっているので、どれだけ貯蓄できているのかわかりません。一年くらい前から夫の収入が5万円減り、4月からは、長男の保育料の出費も加わりました。生活を簡素化して、必要なものしか買わないようにしています。
私が仕事に出て収入を増やす選択肢もありますが、その前の段階でまずできることを教えてください
- 収支表
- 回答
ご主人の単身赴任によって、子育てをはじめとしてその他留守を預かるご苦労も多い中、任されたお金をよく切り盛りしておられると思います。そんな努力をしながらも、経済的な不安が発生してくる原因は、「家計全体が把握できていない」ことではないでしょうか。るらおくらさんは任されている日常生活のお金についてよく管理されているようですから、今後のことを考えると、この範囲だけの節約ばかりを考えるよりも、「るらおくら家」全体の収支の様子を知ることが大切だと思います。
るらおくらさんが把握しておられる貯蓄の現状は100万円ということでしたね。これが「るらおくら家」としてのすべてなのか、それともご主人の方で管理されている貯蓄が他にあるのかを知らないままでいるのはよくない状態です。ご主人が「どれだけ貯蓄できているのかわからない」という不安な状態をそのままにせず、それを知る努力をしましょう。全体について知ることができれば、問題点もはっきりしてくるはずです。今は二重生活で財布が二つとなっていますが、「家計は一つ」であることを夫婦がお互いにあらためて認識することが大切です。家計の管理について、お互いがお互いを当てにしすぎていると、いざというときになってから必要な資金が準備できていないことに気づくということにもなりかねません。
家計の現状を把握するために、ご夫婦で協力して一覧表を作成してみて下さい。たとえば、この家計簿チェックの収支表を参考にした資料を、るらおくらさんの方であらかじめ作っておいて、ご主人には数字を記入してもらうようにする方法などはいかがでしょうか。現時点で、全体の貯蓄はいくらあるのか。収入については、分ける前の金額を記入します。支出についても、ご主人の細かい生活費は無理としても、住宅費・車維持費その他の年間支出も含めてできる限りのお金の行方をつきとめて記入します。今後は、お子様にかかる教育資金も増加していきます。住宅のこと、老後のこと等、将来必要になる大きなお金は、目標や計画がなければ準備することは不可能です。「家計の現状一覧表」を作成できれば、いつまでにいくら必要なのか、そのためにはどんなペースで貯蓄していけばいいかという目安を立てることができるはずです。管理がしにくい家計だからこそ、お互いの役割分担を明確にして、それぞれが担当部分に責任を持って管理できるよう、わかりやすいお金の流れを作る努力をしていきましょう。なかなかご夫婦でゆっくりお話するになる機会を持つことが大変かもしれませんが、たまには「家計管理報告会」なども開いて、その中でご夫婦やお子様方の将来についてくださいね。このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したモノです。
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