【 2009年 第 5 回】トカラ皆既日食ツアー(1) エコライフ
江口 久美子(エグチ クミコ)
ここ数年「エコ」ブームの波にのって「エコツアー」の人気があるようですね。
自然を観察したり体験しながらその仕組みを学んだり、生き物や自然環境を保護する活動に参加すると、体も心もスッキリ爽快で自然からたくさんのパワーをもらえるような気がします。
注目のトカラ皆既日食ツアー
たくさんあるエコツアーの中で今注目されているのが、今年7月のトカラ皆既日食ツアー。7月22日、午前10時53分からの約6分間、トカラ列島で皆既日食を見ることができるんです。屋久島や奄美大島でも見れるのですが、トカラ列島が一番長い時間観測できることもあって注目をあつめています。
ところで、トカラ列島はどこにあるかご存知ですか?
鹿児島県の屋久島から奄美大島にある12の島々をトカラ列島と呼ぶのですが、正式には鹿児島県鹿児島郡十島村のことをさします。
中でも私が気になる宝島という島は、昔イギリスの海賊のキャプテンキッドが財宝を隠したという言い伝えがあって鍾乳洞もあるそうです。
実際に国内外からたくさんの探検家や賞金稼ぎが訪れたとも言われる、ロマン溢れる神秘的な島なのです。
一方でトカラ列島は、南北で約160kmもあって現実の生活環境はとても厳しいです。鹿児島市内からの交通手段は週2便の村営フェリーのみで、一番北にある口之島まででも約6時間もかかるとか。宿泊施設もとても少なくて、食事ができるお店もありません。
電力や水の供給設備も、約650名の島民の需要を満たす程度しかないこの島々に、7月は一気に約1500名の観測者を迎えるので受け入れ側の準備はとても大変です!
このように、受け入れ体制の問題もあるため、トカラ列島で皆既日食を見るには大手旅行会社が主催するツアーに申し込みをするしかないようです。
ツアーの内容
では、ちょっとツアーの中身をのぞいてみましょう。
ツアーは大きく分けて2つあります。
民宿やキャンプ場、体育館などに宿泊する4日から10日間のタイプのものと、「にっぽん丸」というクルーザーに宿泊して日食当日のみ島に上陸する2泊3日のタイプです。合計で20種類ものコースがあります。
観測者を受け入れるための、水・電気・トイレ・食事などの環境整備に相当の費用がかかるためこの費用は観測者が負担することになります。これを含めて料金は35万円から143万までと、国内旅行としてはけっこうな金額のツアーになりますね。
けっこうな金額とはわかっていても、日本で次に皆既日食を見ることができるのは26年後の2035年。
天文ファンでなくてもこの稀なチャンスに惹かれてしまいます。
ではいざこのツアーに申し込みたいけど貯金では足りないとき、あなたならどうしますか?
次回のコラムで、旅行に行くための資金作りについてお話したいと思います。
十島村 皆既日食HP
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