【 2009年 第 12 回】2010年から非課税枠がアップになるものとは? エコライフ
江口 久美子(エグチ クミコ)
2010年1月から日本版401K(確定拠出年金)の拠出限度額が引き上げられます。
すでに加入している方にとっては気になるところ!?
今回の改正でどんな影響があるのか見ていきます。
確定拠出年金は、「個人型」と「企業型」の2つに分かれます。日本の確定拠出年金制度では毎月の掛金に限度額が設定されていて、これを「拠出限度額」と呼ぶのですが、会社が拠出した掛金(企業型401 K )と個人が積立てた掛金(個人型401 K )の全額が非課税になります。
拠出限度額が非課税枠ということになるということは、2010年1月からの拠出限度額の引き上げは、非課税枠が広がるということにもなるわけです。同じことでも「非課税枠が広がる」と聞くとどんな内容だろうと興味を持つ方も多いかもしれませんね。
個人型401Kの場合
まず、個人型の場合を見ていきます。個人型の場合、今回の改正は会社員の方のみ掛金限度額がアップされます。月額だと5,000円のアップですが、年額で見ると21万6千円が27万6千円と6万円のアップになります。自営業の方は、残念ながら今回の改正には変更がありません。
毎月積み立てた掛金は自分の老後のための資産になりますが、これはすべて非課税です。
仮に2010年1月以降個人型401 Kに加入して、上限額の月23,000円を積み立てて、税率が20%だとすると(所得によって税率が異なります)、1年で55,200円、10年で考えると552,000円の節税効果があります。これは大きなメリットのひとつだと言えそうですね。
預金などの一般的な金融商品の利息には税金がかかりますが、個人型401 Kは運用益も非課税になります。税金で差引かれるはずの金額も運用に回せるので複利効果は絶大。
そして、実際に年金を受け取る時にも一定額を所得控除することができます。
節税メリットは大きいと言えそうですね。
こうしてみるとメリットがたくさんあるのですがデメリットもあります。60歳までは原則途中の引き出しはできないので、節税効果があるからといって無理のある掛金の設定をすると後で苦しい思いをする可能性もあります。それから、将来受け取れる年金の額は自分の運用によって左右されるというリスクもあるのでご注意を。
企業型の場合
企業型401 Kも拠出限度額が引き上げられるのですが、どう対応するかは会社によって違ってきます。ご自分の会社がどう対応するか注目してみましょう。
ひとこと
1年間「エコライフ」というテーマで思うままにいろんなことを書かせていただきました。2009年は政治も経済も大きく動いた年でしたが、給料カットやデフレ、雇用の悪化など私たちの生活にもすぐに影響が出てきた1年でしたね。
こんな時代なので、お金のことについて真剣に考えるようになった方が私の周りでも以前より多くなりました。
そんな方が、私のコラム以外だけでなく、このマイアドバイザーのコラムを見て少しでもご自分の生活の中で役立てることができたら嬉しいです。
この記事へのコメントはありません。