【 2009年 第 12 回 】歯は、唯一無二の資産 歯を大切にする
福島 久美子(フクシマ クミコ)⇒プロフィール
歯という宝石
歯の美しさを表現するとき、「真珠のように美しい歯」などと言いますが、この「真珠」には本真珠と人工真珠があり、本真珠は貝の体内の真珠物質から出来たもの、人工真珠は硝子珠などに塗装した模造品という違いがあります。
光沢、色の深み、手触りなどにおいて両者の違いは歴然で、2つを並べて比べてみると全然違うものであることがわかります。
歯についても同じことが言え、技術が進んでいかに本物っぽく見える歯でも、人工ものはやはり造り物の域を出ることはありません。自然の微妙な色あい、フィット感や使い心地という点で本物の歯にかなうものはなく、人工もので一見きれいに治したとしても永久に持つわけではないので、破損などのトラブルへの不安といった精神面の負担もつきまといます。
「私たちは、生まれながらにして歯という数百万円の宝石を持っている」と、子供の頃学校の先生がおっしゃったことが今も印象に残っています。仮にもし全ての歯を失い、人工の歯に作り変えたとしたら一体どれくらいの費用がかかるかを試算してみると、なるほど、とうなずける言葉です。
成人の歯は親知らずを除いて通常28本あるとされていますので、人工的に歯根をつくり歯を被せるという最新のインプラント技術(1本40万円と仮定)を使った場合、その治療費は
40万円x28本=1120万円。
数百万円どころか、それ以上のお金がかかることになります(実際の料金は歯科医院や処置内容により変わります)。
まさに、歯は何ものにも変えがたい資産に値します。
この大切な歯を失わないために1回1回ていねいに歯磨きをし、メンテナンスすることは将来へ投資しているようなもの・・・そんな風にも思えてきませんか?
ひょっとして、株だの投資信託だのを買うよりも、ある意味確実な投資方法なのかもしれません。
健康な歯であることに感謝、です。
宝石を美しく保つために
今ある歯を良い状態のまま保つため、あるいはトラブルを取り除き最良の状態をつくるためには、それなりの出費を要することがあります。
般に、人生に必要な三大資金は「教育資金」「住宅資金」「老後資金」であると言われていますが、歯のことで不安をお持ちの方はこれにプラスして
「歯のためのマネープラン」
もお考えになってみてはいかがでしょうか。いつ頃いくら必要かを見積もり、計画的に貯めておけばいざというとき、意に反してローンを組んだり定期預金を中途解約せざるを得ないといった事態を避けられます。
計画的な資金準備の必要性が特に高いと思われるのは、次のタイプの人です。
☆ もともと歯が丈夫でなく、虫歯が多い人
安価で簡易な処置では対処できなくなる可能性があります。
☆ すでに人工の歯を入れている人
将来、作り変えなければならない可能性があります。
☆ 資金がなく応急処置的に安い治療法で治したが、将来もっと良い方法でやり直したいと思っている人
治療する本数が多いほどしっかりした資金計画が必要です。
☆ お子様に歯列矯正をお考えの人
お子様一人につき数十万円から100万円程度が治療費の目安です。
成長に合わせ、適正な時期に行うことが必要で、症状やお子様の人数によっては家計を圧迫することがあります。
歯医者さんともじっくり相談してみて下さい。
計画的に少しずつ準備しておけば、人生の三大資金が必要な時期と重なっても慌てずスムーズに美しい歯を保ち続けることができるでしょう。
1年間にわたり、歯をテーマにおおくりしてきた本コラムも今回で終わりです。
みなさまが健康な歯で楽しい毎日を過ごされるよう、願っております。
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