【 2009年 第 5 回】様々なクレジットカード~百貨店~ クレジットカード
キムラ ミキ
前回は流通系のクレジットカードとして、スーパーで発行しているクレジットカードについてお話をしましたが、今回取り上げるのは百貨店のクレジットカード。
近年の節約志向の高まりに加えて、不況による買い控えも影響し、百貨店業界では売上高が12年連続でダウンしています。その状況を受け、百貨店は経営統合や不採算店舗の廃止など構造的な改革を行い、売上高減少の食い止めを図るほかにも、自社クレジットカードを発行することで顧客の囲い込みをはかろうとしています。そのため、百貨店のクレジットカードの還元率は、私たちにとって魅力的なケースが多いといえます。
百貨店のカードの種類
百貨店のカードの種類は、「従来のポイントカードにクレジット機能が付加されているタイプ」と「クレジットカード利用時に割引となるタイプ」の大きく2つに分かれます。
「従来のポイントカードにクレジット機能が付いているタイプ」は、クレジット決済でなくてもポイントを貯めることができる一方、有効期限があることが多いです。また、「クレジットカード利用時に割引となるタイプ」は有効期限がないものの、年会費が必要であることが多く、クレジット決済でなければ割引対象とならないので注意が必要です。
それでは、いくつかの百貨店カードについて具体的にみてみましょう。
高島屋カード(従来のポイントカードにクレジット機能が付加されているタイプ)
バラのマークでおなじみの高島屋。高島屋でもクレジットカードを発行しています(発行会社はクレディセゾン)。年会費は2100円(初年度無料)です。
先ほど、多くの場合お買物金額によってポイント率などが変化していくカードが一般的であるとお話をしましたが、高島屋カードは、お買物金額にかかわらず、高島屋でのお買物であれば、現金決済・クレジット決済にかかわらず、100円(税抜き)ごとに8%のポイント(ポイントアップ期間は10%)が貯まります。
ポイントの有効期限は入会月から1年間となっており、貯めたポイントは2000ポイントごとに「高島屋のお買物券」に交換することができますので、高島屋でのお買い物が多い方に魅力的なカードです。ただし、年会費を考えると少なくとも年間に3万円程度以上の高島屋でのお買物が毎年ある方でなければ、メリットは少ないでしょう。
伊勢丹アイカード(クレジットカード利用時に割引となるタイプ)
伊勢丹が発行している、伊勢丹アイカードは伊勢丹または三越で、当カードを利用してお買物をした場合に割引を受けられるタイプのカードです。年会費は2100円(初年度無料)です。割引率は、年間のお買物金額によって5%~10%の範囲で変動します(三越でのお買物の場合は5%)。ただし、割引を受けることができるお買物は1品につき3000円(税抜き)以上のものが対象となります。
また、年会費を考えると、仮に年間のお買物金額が20万円未満であった場合、割引率は5%ですので、少なくとも年間に45000円以上のお買物、かつ1品3000円以上のお買物が毎年ある方でなければメリットは少ないでしょう。
最後に
百貨店カードは還元率が高く、年会費はかかるものの、初年度無料というケースが多いので魅力に感じますが、「年会費」や「ポイントまたは割引率の適用対象額」などについて確認を行うとともに、カードにかかるコストを支出してもメリットが受けられるご自身のお買い物予定があるかどうかを考えて見られるとよいでしょう。
また、意外とご存じの方が少ないのが、ポイントまたは割引の適用対象外商品があるという点です。
カードを作ったけど、好きなブランドの売り場は割引の対象外だった…なんてことにならないように、カードを作る前によく調べておきましょうね。
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