【 2009年 第 3 回】沖縄の海の魅力~慶良間諸島編 「海の中」の世界
佐藤 涼子(サトウ リョウコ)
沖縄本島から、船に揺られること約1時間。そこは、“ケラマブルー”と呼ばれる、青く透き通った海が広がります。
周囲を見渡すと大小さまざまな島があり、この中で現在人が住んでいるのは、渡嘉敷、座間味、阿嘉、慶留間島の4島です。
今回は、慶良間諸島の中の2つのポイントの魅力をお話していこうと思います。
黒島西
黒島は、慶良間諸島の東北端に位置する小さな島です。黒島の北側には小さな露出岩が2つあり、その周りが黒島北ツインロックと言われているポイントとなっています。
ここで、エピソードを1つ。2008年10月に沖縄を訪れた私は、ダイビング本数50本という1つの節目をむかえようとしていました。ダイビングショップの判断で、この日は黒島で潜ることになり、ちょうど50本目のダイビングのポイントは黒島西といわれるポイント。それまでは、黒島では黒島北ツインロックでしか潜ったことがありませんでした。
私は50本の記念ダイブには、どうしても観たい生物がありました。「ウミガメ」です。沖縄本島や、伊豆の海ではなかなか観ることができない「ウミガメ」。慶良間諸島でも、さすがに毎回は観ることは難しいようです。
黒島西は、水深の浅い白い砂地にサンゴの根が点在しており、魚影の濃さも有名なポイントだそうです。もしかしたら・・・という期待を胸に、海の中へエントリーしていきました。
エントリーしてから20分後に奇跡は起こります。どうしても観たかった「ウミガメ」が、根の上で休息しているではありませんか!私たちダイバーが70~80センチ位のところまで接近しても、カメは動きません。4~5分間、カメの撮影タイムとなりました。その後のカメは、息つぎをするために、速いスピードで去っていきました。
サービス精神の旺盛なカメに祝福されて、ハッピーな記念ダイブとなったのでした。
「ウミガメ」は思ったよりも大きくて、浦島太郎は実在したのではないかと思ってしまいました。本当に、カメの背中に乗って竜宮城に行ったのかもしれないと思うほど、このポイントは、昔童話で聞いた「浦島太郎」の世界そのものでした。
レディドラゴン
1989年に公開された、原田知世さん、織田裕二さんが出演されている映画「彼女が水着にきがえたら」をご存知の方も多いのではないでしょうか?海底に眠る財宝を追う女性ダイバーとヨット乗りの青年との恋と冒険を描いています。湘南沖に沈んだ、朝鮮戦争時の輸送機「ドラゴン・レディ」。その機内には100億の宝が積まれていた。アマチュア・ダイバーのOLは、余暇優先をモットーとしるサラリーマンの青年とともに宝の謎を追うというストーリー。(Yahoo!映画より抜粋)
この撮影場所が、座間味島です。水深20~25メートルのところに、撮影で使われた機体の一部が残っています。
ここは、まっ白な砂地がどこまでも続いています。光が差し込むとキラキラとしていて、とてもキレイ!
カラフルなトロピカルフィッシュ達も小さな根のところにいて、まさに癒しのポイントです。
慶良間諸島に行く方法は、那覇からも船が出ていますし、無人島日帰りツアーというものもあります。本島から少しだけ足を延ばして、慶良間諸島の自然に触れ合うのも良いのではないでしょうか?
写真は、50本記念ダイブの時にお祝いに来てくれたカメと「ドラゴン・レディ号」です。
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