【 2009年 第 4 回】 セカンドライフのための資産運用① 「増やすより減らさない」という考え方 スポットコラム
羽田野 博子(ハダノ ヒロコ)⇒プロフィール
増やすより減らさない
セカンドライフの資産運用は「増やすより減らさない」という考え方が基本となります。
退職金のように大きなお金を手にすると、すぐにでも運用しなければ、と考える方が多いようですが、元本保証で高利回りといった「うまい話」には要注意です。利回りが高いとそれなりのリスクを伴うのが常識です。
また商品説明で「必ず儲かります」と言うような場合はその話しには乗らないほうが賢明です。リスクのある商品を販売する際は「ゼッタイ」「必ず」はそれこそ絶対に言ってはいけない言葉なのです。
また、金や商品先物、新規公開株やヘッジファンドなど「わからないもの、理解できないものには手を出さない」のが鉄則です。
特に電話での勧誘の場合は、利殖商法ではないかと疑う姿勢も必要となってきます。
家計状況の把握と将来設計
まず、「当分使わないお金が手元にあるから何かを買う」という発想はやめて、現在の家計状況の把握と将来設計からはじめましょう。
年金だけで暮せるのか、不足する場合はいくら必要かなどを考えます。
家のリフォームや車の買い替え、海外旅行などの計画をたて、いつ、いくらのお金が必要になるかを割り出しましょう。
金融商品の選び方は、この使用時期によって異なってくるからです。
5年以内に使うもの、これは元本確保が前提となりますので利回りを追求せず預貯金が無難です。
5年以上10年以内に使うものはなるべく安全性の高いもので少しでも利回りのいいもの。
そして10年以上使わなくてもよい資金、これは多少のリスクを取っても高利回りが期待できる商品で運用したほうがいいでしょう。
複数の商品でリスクを分散
その場合も一つの商品ではなく、複数の商品でリスクを分散します。単に商品を分けると言うことではなく、株や債券、国内や海外というように投資対象、通貨を分けると言う意味です。
また、一度に全部買わないで数回に分けて買う、という時間の分散もリスクを減らすことになります。
セカンドライフのための大切な資産を失わない、減らさないためにも、将来設計を立て金融商品についての基本的な知識を身につけるようにしましょう。
次回は「預金・債券」です。
このコラムは共同通信社の加盟新聞社の特集として2007年に連載されたものを加筆修正したものです。
この記事へのコメントはありません。