【 2009年 第12回 】さあ、リタイア後の世界へ リタイア準備
西谷 由美子⇒プロフィール
さて、今年最後の記事。そうだ、今まで色々とリタイア後の生活に備えることを語って来ましたから、夢をもって、手に手を携えて、リタイア後の人生を、、、と文章を始めようと思っていたのですが、最近、とんでもない事件が表ざたになっています。
夢破れたリタイア後の第二の人生
東京では、料理教室の先生、ピアノ講師、介護ヘルパーなどと名乗りながら次々と男性からお金を引き出し、その中の幾人かは(自殺とみなされているものもありますが)不審死を遂げている女性が、詐欺容疑で逮捕されました。
鳥取では、あるスナックのお客さんの新聞記者、警察官、トラック運転手等少なくとも6人の男性が不審死。すべてスナック従業員の女性との交際の後の死亡だそうです。
後者は奥様がいらっしゃる男性も含まれますが、前者は結婚支援サイトを利用し、「婚活」の名目で交際を開始。お相手の男性は初婚の方もいらっしゃいますが60~70歳代の男性も。ああ、これってリタイア後の第二の人生を「新しいよき伴侶」と共に始めようって夢が破れちゃったわけですよね。
以前新聞記事で拾った情報ではありますが、高齢者の「婚活」が活発になっているそう。HPでも確認できますが、結婚紹介所などの業者さんでは中高年専用のリンクがあったりします。またそれを裏付けるように人口動態統計(H19)によると、再婚件数に65歳以上が占める割合は、男性が3.9%、女性が1.9%。平成7年にはそれぞれ2.5%と1.0%だったので明らかに増加。
さらには厚生労働省も「75歳以上の婚姻件数が年々増えている」という認識の下、人口動態統計の再婚に関しては、平成18年から一覧表の項目を「75歳~79歳」「80歳以上」に分割。以前は75歳以上はひとつのくくりで算出していたそうです。
シングルアゲインになられた方が恋をしてはいけない、、、道理はありません。しかし、そこには打算の忍び込む余地が・・・将来の介護をあてにしての再婚、時々耳にします。またそれに対してはお子様たちが、お二人のお気持ちはそっちのけで遺産相続を心配して反対する。なんでもこの対抗策として、法的手続きを経ない「事実婚」もひそかに増加している、有料老人ホームでも「事実婚」状態を奨励とまでは言わなくても認めるところがあるという話まで。せっかくのセカンドライフ、お子様たちとも仲良く過ごすのが理想ではありますから。
脱血縁、脱会社縁の「選択縁」
前回も登場の上野千鶴子先生、新しい著作に「男おひとりさま道」というのがあり、興味深い記述がありました。いわく
- 自分と相手の前歴はいわない、聞かない
- 家族のことはいわない、聞かない
- 自分と相手の学歴をいわない、聞かない
- お金の貸し借りはしない
- お互いに「センセイ」、あるいは役職名で呼び合わない
- 上から目線でものを言わない。その場を仕切ろうとしない
- 特技やノウハウは相手から要求があったときにだけ発揮する
これは“選択的つきあい「男の7戒」”と名づけられたもの。男同士ではついそれまでの人生を値踏みしあう関係になりがち。
そうではなく、脱血縁、脱会社縁の「選択縁」と上野先生が名づけた新しい関係を構築することが、男おひとりさまの人生を豊かに、また結婚詐欺にあうこともなく楽しい人付き合いができる、というものです。
こういうことを軽やかに実現できる男性であれば、共に過ごす奥様はリタイア後の生活も自分の時間を有効に使えるし、またお二人で過ごす時間も楽しいことでしょう。男性は万一の場合も考え、ひとりでもだまされずに生きていける準備をする、女性はリタイア前から男性がそうふるまえるようバックアップをする。
あら、今年最後の記事がどうやらうまくまとまったようです。私もそろそろ近づいてきたセカンドライフの準備、夢を実現するためにも、このように進めて行きたいと思っています。さて、皆様はいかがでしょう。
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