【 2009年 第5回 】 体調は万全ですか?今もそしてこれからも リタイア準備
西谷 由美子⇒プロフィール
政府の緊急経済対策で、「新車登録から13年以上経過した車を新車に買い替えると、25万円近い補助が出る」という話を小耳に挟みました。
買い替えを計画している我が家ですが、残念ながら経過年数が足りません。未練がましく、車関連の記事をめくっていると、こんな記事を目にしました。
「日産自動車では、デザイナーが「高齢者」を疑似体験できるスーツを活用。開発車の使い勝手をチェックしている。・・・」
以前、TVの特集で見た記憶にあります。いろいろな器具(視界を狭くするゴーグルや、おもりをセットしたサポータなど)をつけると、年齢を経たお年寄りと同じ条件でものを見たり、体を動かしたりできる・・・というもの。そういえばあの時の画面はもやがかかったように灰色で、視線の移動もかなりゆっくりだった記憶が。
身体能力の衰えという未知との遭遇
確かに若いときには想像もつかなかったことですが、お友達で早い人は40台半ばから、口紅の色番号が見にくくなってしまいました。うちのだんなさんは、よく畳のヘリに引っかかって、歌舞伎の六方(ろっぽう)だなんて言って誤魔化してます。足のつま先が思ったほど上がらなくなるんですね。
等々、身体能力の衰え・・・という未知との遭遇は、リタイア後の生活にはつき物のはず。あっちこっちネットサーフィンしてみると、さっきの疑似体験スーツ、有料で貸し出ししているところがあります。高齢化社会対策として活用してほしい、施設職員の研修にも有効、と言う訳でしょう。中には使用レポートに、20~24歳の若者の使用体験では歩く速度・歩幅が平均70%に減少、感想は「腰が疲れる」、「バランスがとりにくい」という発表もありました。
う~ん、望んでもいないのに、思った以上に身体機能が衰えて行くんですね。
前回、夫婦で早朝愛犬の散歩、なんて言ってましたが、気をつけないと愛犬に健康ではなく、入院をプレゼントされてしまっては大変。体力つけて、体の衰えを防がないと、あ、もし入院なんて事になったら、医療保険も充実させておかないと・・・何だか心配で食欲が減退してしまいました。
基礎代謝量は年とともに減少
ところが、「食欲減退」、ということで、最近知った事が。娘の家庭科の教材、食品成分表から引用しますと、「基礎代謝」とは生きていくのに必要最小限のエネルギー代謝量。性別や年齢で異なり、Kcal/日であらわすと
*成人男性で2400Kcal、女性で2000Kcal以上が、一日を活動的に過ごす場合の適正摂取カロリーといわれています。
基礎代謝量は年をとるにつれて減少しています。「近頃食が細くなって・・・」というあなた。何か病気では?と必要以上に心配することもないのかも。もちろん急激な体重の減少が伴えば別ですが。
次第に食欲が細るのは、自然の摂理かもしれません。若い頃と同じ量だけ食べて、同じ程度の運動量では、カロリーを摂取し過ぎてしまう計算で、これってもしかしたら、メタボの原因のひとつにもなっているのかもしれませんね。
そうか、リタイア後の生活費を想像する時、つい今と同じ条件で考えてしまいがちですが、食事があっさりしたもの中心で量も少なくてOKなら、国産・低農薬などの品質にこだわっても出費が急激に増える訳ではなさそう。
ゆっくりと体を動かす運動を取り入れていけば、趣味にかかる出費もそれほど高額な入会金やお月謝を考えなくても楽しめるのかもしれませんね。
スローライフだロハスだと巷では流行が次々と現れては消えていきます。でもリタイアした後の生活って、自分の体に合わせてゆっくりと過ごして行く事が、実は心にも体にも、そしてお財布にも優しい生活なのかも。
なんだかそれなりにワクワクして、待ち遠しくなってしまった今月の私でした。
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