【 2009年 第 4 回 】金銭教育その10「定額給付金」のこと、ぜひ、子どもと話してみてください! こどもとお金
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール
なにかと話題になった「定額給付金」。
すったもんだの末、3月より一部の自治体で支給が開始されました。もう受け取ったという方もおられるでしょうが、まだ自治体の方が準備中で受け取っていない…という方も多いと思います。
アテにされている定額給付金
結局のところ、「いったい何が目的だったんだっけ?」…と思いつつも、「もらえるモノはもらわなきゃ損!」という感じで、支給をアテにしている方も多いのではないでしょうか。
○ 給付の目的は?
○ 国民全体に支給される金額はいくら?
○ 誰に、いくらずつ給付されるの?
○ 実際に受け取るためには、どんな手続が必要なの?
あらためて質問されると、なかなか正確に答えるのは大人でもむずかしいかもしれませんね。
きちんと「定額給付金」のことを知りたい方は、総務省のページをご覧下さい。
総務省のページよりもわかりやすく解説してくれているページが、「NHK週刊こどもニュース」のサイト内にあります。
テレビや新聞のニュースでもくり返し報道されることが多かったので、「定額給付金」ということばは、大人が思っている以上に子ども達の耳にも届いているのではないでしょうか。
金額面でも65歳以上と18歳以下(2009年2月1日時点で)の人に対しては、通常の12,000円よりも多い20,000円が支給されることになっています。
そのため、子ども達自身も「自分がもらえる大きなお金」としてちゃっかりアテにしている場合もあるようです。
定額給付金、親子で話した?
親は親で…子どもは子どもで…
ちょっと気になるリサーチ結果が掲載されていました。
子どもの分の給付金を本人に渡す家庭は1割――。インターネット調査会社「楽天リサーチ」が今月、全国の6~18歳の子どもの親500人に聞いたところ、多くが子どもの分は親が管理すると答えた。
「給付金について子どもと話をしたか」との問いでは、「話をした」は43%、「これから」が37%。「黙っている」という親も18%いた。「子どもの分はどうするか」は、「保護者が管理する」が最多で61%、次いで「貯金」19%。「子どもに渡す」は11%だった。子どもに渡すという親のうち、「使い道を子どもと話し合う」が51%、「好きなように使わせる」も48%。半分が「子どもまかせ」だった。
私が気になったのは、「親子の『攻防』」というタイトルです。
たしかに、多くの問題点を残したままで支給が決定されてしまったような感じがあります。
が、ともかく実際に支給が始まっているわけですから、ここは前向きにとらえて、“みんなで”このお金を有意義に使うことを考えたいものです。
親子で給付金を「攻防」するのではなく、子どもも交えた“家族みんなで”話題にしてもらいたいと私は思っています。
子ども達もたくさん耳にして知っていることを「チャンス!」ととらえて、子どもも入れて家族で話し合うことは、子どもにとっても大人にとっても考え方や広がるのではないでしょうか。
子ども達にとっては、「ただ単に“もらえる”お金ではないこと」に気づいたり、経済や税金などについて知ったりする機会となるでしょう。
そして大人にとっても、子ども達の豊かな発想から、良い使い方のヒントを得られるのではないか、そんな風に思っています。
この記事へのコメントはありません。