【 2009年 第 13 回 】3年前に開業したが、今後の教育費が心配 相談コラム
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール
- 相談者
ひろこさん一家 - 家族構成
夫(43)自営、ひろこさん(42)主婦、長女(16・高校生)、長男(12・中学生) - 相談内容
3年前に開業し、現在、月平均で45~50万円の収入があります。経費・税金などで差し引いた手取りが40万円程度。支出も同じくらいなので、これから子どもの教育費が増えると思うと心配です。
また、住宅ローンが6.15%と高金利なのも悩みの種。生命保険と合わせて、見直しを考えています。アドバイスをお願いします。
- 収支表
- 回答
自営業は、収入が不安定になりがち。万一の際に対する備えも含めて、生活設計をしっかりしておく必要があります。
現在の家計簿の支出欄には、事業の借り入れ返済等が混じっている一方で、税金関係の支出項目がありません。まず、事業経営の部分と家庭経営の部分をきちんと分けて管理しましょう。事業経営の方は、借入金の返済やその利息・税金の準備・経費等を把握できるようにします。家庭経営の方は、毎月一定額をご主人の給料として家計費とし、それに合わせて支出予算を組みます。現状は、保険や住宅・車のローン返済など固定支出が多いために毎月が赤字です。これから、お子さんの教育費が増える厳しい時期ですから、なるべく赤字にならない家計の体質に変えていかなければなりません。そのためにも、クレジットカードの使用は、金利の不要な一括払いの範囲内だけにするなど、クレジットの残高を少しでも減らしていきましょう。住宅ローンの金利は高いですが、借り換えに必要となる手数料等の費用も検討する必要があります。借り換えの目安は、「現在の住宅ローン残高1000万円以上」「残りの返済期間が10年以上」「現在と借り換え後のローン金利差が1%以上」。ひろこさんの場合は、ローン残高も、残りの返済期間も少ないため、あまりメリットはないかもしれません。繰り上げ返済をするのも1つの方法ですが、教育費の増加が見込まれるこの時期に、これ以上貯蓄を減らすのはお勧めできません。ご主人の終身保険の保障を一部減額して、その解約返戻金を充ててみてはどうでしょうか。減額する分の保障は割安な定期保険等で補えば、保険料を抑える効果もあります。浮いた保険料を、小規模企業共済(事業者向けの退職金制度)で積み立てれば、掛金相当額の所得控除も受けられて、節税効果も期待できます。食費など日々の出費を見直すとともに、NHK受信料や固定資産税(自治体で異なる)など年払いによる割引なども活用しましょう。自営業はボーナスがないので、自分で予備費を積み立てるなど、特別な支出にも備えるしくみ作りにも取り組んでみて下さい。
このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したものです。
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