【 2009年 第 16 回 】リフォーム資金貯めたい 相談コラム
高原 育代(タカハラ ヤスヨ)⇒プロフィール
- 相談者
水仙さん一家 - 家族構成
夫(50)自営業、水仙さん(47)自営業手伝い、長女(21)大学生、二女(18)専門学校生 - 相談内容
自宅をリフォームしたいと思っていますが、子どもの学費の支払いが大変で、なかなか貯蓄できない状態。夫婦ともローンがキライなので、実行までに500万円は貯めたいと思っています。
年に100万円ずつ(子どもの独立後は200万円ずつ)貯蓄するには、どうすればいいでしょうか。節約できる部分を教えてください。
また、いずれは保険も見直そうと思っています。アドバイスをお願いします。
- 収支表
- 回答
2人の娘さんへの学費の支払いも、今年・来年と一人ずつ終わって教育費も一段落となりますね。ただ、学費の支払いは貯金から補填されていたということなので、毎月の家計が改善されることにはつながりません。
今後は、家のリフォーム資金、ご夫婦の老後資金を準備していく必要があります。
娘さんたちは、各々アルバイト収入を得ていますし、携帯電話の費用も各自で支払うなど、自立への心構えもできつつあるようですね。家計の状況や今後の希望なども話して、できればお小遣いも返上してもらうとよいでしょう。
月支出の35%を占めている保険(生保・損保計)の内容について、検討する必要があると思います。自営業のため、大きな保障は必要ですが、そのすべてを生命保険で準備しようと考えると保険料の支払い額が大きくなり、その結果、現金での貯蓄ができなくなってしまいます。医療保険に加入しているからといって、すべての病気やケガが給付金の対象となるわけではありません。やはり、何にでも対応しやすい現金での備えを基本に考えるべきでしょう。
老後資金のつもりで加入しておられる終身保険ですが、契約された時期が新しいため、貯蓄性がよくありません。貯蓄と保障を切り離して考え、必要な死亡保障は割安な掛け捨ての定期保険を利用しましょう。また、自営業の方が退職金を準備するために、税金面で所得控除が受けられる小規模企業共済を活用するという方法もあります。
保障が必要だから保険に加入するというのではなくて、どんな保障が必要なのか、その備えをするために、保険への加入と現金での貯蓄に対して、どうバランスを取るべきか。教育資金から老後資金へと目を向ける転機となる今、ご夫婦でよくご検討下さい。
このコラムは、熊本日日新聞(2004年4月~2005年3月)に掲載された「家計CHECK」を加筆修正したものです。
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