【 2009年 第9回 】安心して使えるフランスの健康保険 フランス気分
横川 由里(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
フランスでは、原則として国民健康保険(Sécurité Sociale)への加入が義務づけられています。
日本と同じ国民皆保険制度を採用しているため、安心をして病院に通うことができます。
給与所得者は給料から天引きされるというところも、よく似ています。
国民健康保険の支払
自己負担率は原則3割、入院は2割です。もちろん、老齢年金をもらっている人や障害がある人などは、通院は2割負担、入院は負担なしという特例がありますよ。
ところが、面倒くさいことに窓口では、医療費の全額を支払わなければなりません!
現金、小切手(小切手は普通預金についてくるため、全員持っている)、クレジットカードで支払い。
頻繁に医者に通っていたときは、クレジットカードで支払って、すぐに社会保険事務所にて、還付の手続きを済ませ、カードの決済前にお金が口座に振り込まれているようしていました。
全額自己負担では、すぐに6、7万円になってしまうのです。薬代だって、いったん全額払い。
というわけでカードの時間差をうまく利用しないと、立て替えが大変です。
3割負担
3割負担といっても、医療費は、クリニックや診療所によって料金の設定が異なります。安い医者や公立病院は、最低の料金が決まっていて、だいたい初診料など2,500円くらい。高いと3倍の7,500円という医者もいます。
では、3割負担って?
2,500円の3割、750円が自己負担。7,500円の医者はどのように計算をするのでしょう?
答え:750円です。つまり最低料金の分しか払い戻しはありません。上限を超えた分は全額自己負担となり、5,750円の支払です。
勝手に高い医者に行くのだから、その分は自分で支払ってくださいという考え方ですね。
日本人観光客が運ばれる病院は高い
しかし!
日本人が観光でパリに訪れているとき病気やけがで運ばれる病院は、アメリカン・ホスピタル。日本人医師や看護師もいます。アメリカン・ホスピタルはアメリカの病院がアメリカの制度で経営をしているので、とにかく高い。
盲腸で手術したって100万円以上かかってしまいます。
私、パリのJTBルックデスクで長年働いていたので、困ってしまったお客さんをたくさん見ています。
というわけで、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険では、足りません。
海外に行くのなら、必ず海外旅行傷害保険に加入しましょう。
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