【 2009年 第12回 】クリスマスとお正月は日本と反対 フランス気分
横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
日本でのクリスマスは、恋人や友人と過ごしますが、フランスでは家族と過ごすのが一般的。
ちょうど日本のお正月と同じだと考えるとつじつまがあいます。
反対に、フランスのお正月は、家族ではなく友人と過ごすのです。
宗教上、大切な日は家族と過ごすのでしょう。
クリスマスはひたすら食べる
では、どのようにクリスマスを過ごすのかというと、“ひたすら食べます”。これも日本のお節料理を想像しらたよいでしょう。
たくさん食べるということは、将来の繁栄を予兆するという意味があります。
クリスマスには、いったい何を食べるのでしょう?
地方ごとの伝統料理があるため、クリスマス料理はたくさんありますが、典型的な献立をご紹介しましょう。
前菜:フォアグラ、スモークサーモン、キャビア、生カキ
メインディッシュ:七面鳥、ホロホロ鳥、鴨、鳩などの家禽類
チーズ:山盛り
デザート:ブッシュ・ド・ノエル
そのほかクッキーに、チョコレートにシャンパン!
3時間も4時間もかけ、おしゃべりをしながらびっくりするほど食べるから、普通の胃袋の持ち主である私たち日本人は、だんだん苦痛になってきます。
「ケーキは入らないわ」
「ユリ、だからいつも細いのよ。このケーキはわたしが作ったのよ。食べてね!」
「……」ちょっと、拷問。
慣れてくると、最初から食べる量を調整することができるようになります。
家庭では、大きなクリスマス・ツリーの足元をプレゼントでいっぱいにします。子どもはもちろん、大人だって山盛りのプレゼントをもらいます。
フランス人1人あたりのクリスマスの出費は平均で10万円。プレゼントは11.3個も購入するのです。驚きですね。
なぜ24日にパーティを?
ところで、キリストの誕生日は12月25日なのに、なぜ24日にパーティをおこなうのでしょう?
それは、ユダヤ教の暦の考え方が違うからです(もともとは、ユダヤ教もキリスト教も同じ宗教から始まっている)。
ユダヤ教では、日没を過ぎると、日付が変わります。24日の太陽が沈んだらもう25日と考えるからクリスマス・パーティーは、今の暦である24日の夜に行うのです。
フランスはカトリックの国なので、12時を過ぎたら教会のミサに行きます。これも日本の初詣と同じですね。
お正月休みは1日だけ
クリスマスに比べ、お正月はあっさりしていて、お休みは1日しかありません。
31日の夜は、友人宅に集まって大勢でカウントダウン。もちろん、衛星放送で紅白だって見ることができます。
いよいよ、12時をすぎたらシャンパンで乾杯。街ではみんなでキスをしあって(ほっぺたですよ)、新年を迎えます。
爆竹もいたるところで炸裂。明け方まで騒いで、1日はゆっくりお休みです。そして、
2日からは、何事もなかったかのように仕事が始まります。
楽しいクリスマスと新年をお迎えください!
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