【2010年 第10回 】 まずはプチな投資から 女性の投資
鈴木 暁子⇒ プロフィール
外貨投資の魅力は為替差益を得られたり金利や分配金の高さ
前回は外貨投資のキホンについてお話しました。外貨投資の魅力は為替差益を得られることや金利や分配金の高さです。お金を預けてもほとんど金利や分配金がつかない円貨での投資よりは、少しでも高めの外貨で投資したいと思う人が増えるのも当然の流れといえるでしょう。
しかし円貨での預貯金のように、「預けると定期的に利息を得て、満期には元本が戻る」いうしくみであれば、原則元本割れということはありませんが、外貨投資では円貨に戻した時に元本割れ(為替差損)の恐れがあると思うと、外貨投資を躊躇してしまう人も。
リスクと向き合う
株式投資も同様です。株式投資は収益を上げる効率としては預貯金よりはるかに高いのですが、値下がりのリスクも当然あるわけですので、なかなか踏み込めない人も多いのです。
ではこのような場合、投資をあきらめるしかないのでしょうか。
投資をしたいと思うのであれば、「リスクと向き合う」知恵と勇気も必要です。リスクをゼロにはできませんが、リスクの度合いを軽減する方法はあります。化粧品や新聞などで「お試しサイズ」「1週間試し読み」というのがありますが、あれと同じ感覚です。新しいものにいきなり大きな投資をするのではなく、小さく投資しながら仕組みを理解したり、知識をつけていきましょう。
ドルコスト平均法
小さく投資するというのは「購入単位を小さくする」ということです。たとえばいきなり何十万という額をつぎ込むのではなく、毎月1万円ずつ買い付けていくというように。このような方法を「ドルコスト平均法」といいます。
ドルコスト平均法のしくみは「毎月一定額で購入していけば、価格の高い時には少しの口数(株数)しか購入できませんが、価格の安い時は多くの口数(株数)を購入できる」というものです。外貨にしても株式にしても価格が変動することがリスクです。ですからできるだけ安い価格で購入したいのですが、実際には常に安い価格で購入することなど不可能ですよね。(今は安いと思っても、その後値下がりすれば、今の価格は結果的に安くはなかったということですから)
この場合、投資額を1万円と決めておけば、商品の価格が違っていても自分の投資額は変わりません。つまり「予算の範囲で最大の買い物をしている」ということになるのです。では数字を使ってみてみましょう。
同じ口数を購入しても購入単価が違います。口数(株数)で買おうとすると、「どんなに高くても買う」ということですので、思った以上に投資額がかさむ時もあるのです。
このようにドルコスト平均法は無理をしないという意味では効果的な投資方法ですが、もし価格が下がる一方であれば、確かに平均購入単価は安くはなりますが、損をするものを買い続けるわけですから、損失も膨らんでいきます。
またあっという間に値上がりするような場合や、ずっと値上がりが続いていくような時であれば、安いうちにまとめ買いするほうが結果的には安く購入できることになります。
つまり「価格が上がったり下がったりはするものの、傾向としては右肩上がり」というようなケースで最も効果を発揮するといえます。
外貨MMFの買い付けは、ごく数社を除きほとんどの業者で自動積立はなく、自分で定期的に購入することになりますが、株式投資ではかなり以前からドルコスト平均法を使った「株式累積投資(るいとう)」という購入の仕方があります。また、今は積立投資信託といって、相当数の投資信託で毎月1万円ずつから自動引き落としで購入することも可能になっています。
いくらノウハウ本を読んだからといって、マニュアルどおりにならないのが資産運用。このようにプチな投資方法を試していくことで、リスクのある商品のしくみや知識、リスクとの向き合い方などを学んでいくことも資産運用のセンスアップのためには不可欠ですよ。
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