【2010年 第11回 】 自分の投資スタイルを見つけよう 女性の投資
鈴木 暁子⇒ プロフィール
自分の投資スタイルに合う商品を
世の中には「よくもこれだけ!」と思うほど、さまざまな種類やタイプの投資対象があります。預貯金商品を始め、株式、債券、投資信託、為替、金に不動産などなど。
さらに昔はシンプルだった商品設計も、デリバティブという複雑なしくみを持った金融派生商品が開発されてからは特にリスクに気づきにくい商品も増えています。
ただ、デリバティブもそもそも昔ながらの伝統的な取引で発生するリスクを回避するために作られたもので、これら自体が悪いものというわけではありません。
問題なのは、投資するものがシンプルか複雑かにかかわらず、自分の投資スタイルに合わないものに手を出してしまうこと。数ある商品ラインアップの中から自分に向かない投資を選んでしまうことなのです。
投資のスタイルは人それぞれ。もちろん自身のスタイルですから自分が納得していることが一番大事なことですが、スタイルを決めるにあたり、やはりポイントはありますので見ていきましょう。
1)運用資金(どれだけの資金を運用に回せるか)
なんといっても大きなポイントです。運用資金の条件は「最悪無くなっても家計に影響を及ぼさないこと!」。
2)投資環境(自分が置かれている環境は?)
会社に勤めている人であれば、基本的に日中取引をするのは無理ですよね。また出張が多い人などは、なかなか機動的に動けないことも。
そんな時、時々刻々と価格変動するものはドキドキ。大きなストレスになってしまいます。もちろんそれに対応できるスキルがあれば別ですが、自分の生活パターンやペースに合う環境でないと長続きはしません。
3)投資経験、知識
初心者と上級者では知識も経験もまったく違います。大きな収益を上げられそうだからといって、経験も知識も少ない人がいきなり挑戦しようというのは無謀というもの。今でこそ上級者の人も、それまでどれだけの涙を流したことか…。運で儲かるほど投資は甘くありません。
4)性格(リスクに対する許容度は?)
リスクに拒否反応を示す人もあれば、背負う覚悟のある人も。それによって投資対象の選択肢も違ってきます。
実はこの4つのポイントだけでも、相当選択肢が絞られるのですよ。
誰でも最初は初心者。投資は勉強と経験なくしてはできないものです。もちろんそこには痛い勉強料も払いますが、このような積み重ねを続けていくことで、自分なりの投資スタイルが確立されていくのです。
ローマは一日にして成らず
そのためには新聞を読んだり、ニュースに耳を傾けることも大切。世の中の動きにもアンテナを張っていましょう。
そしてまずはシンプルで少額な投資から始め、しくみやリスクをしっかり実感してください。それができたら今度はもう少し難しいものにも挑戦してみては?
ひとつひとつ小さなハードルを越えていくことが最終的には賢い投資家への近道。
「ローマは一日にして成らず」、「急がば回れ」です!
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