【 2010年 第 2 回 】Let’s Enjoy “旅”『 賢く楽しく“旅”しましょう。』 楽々旅々
合田 菜実子(ゴウダ ナミコ)⇒プロフィール
旅行先で病気やけがをして治療を受けた時、誤ってものを壊してしまったり、盗難に遭ったりしたときに係る費用を補償してくれるのが旅行保険です。
どんな補償があるの??
◎傷害死亡・後遺障害 ・・・ケガがもとで死亡したり後遺障害が残ったりした場合
◎疾病死亡・・・旅行中に発症した病気で死亡した場合
◎傷害・疾病治療費用 ・・・ケガや病気に係った治療費を補償
◎賠償責任・・・誤ってものを壊したり他人にケガをさせてしまったりした時の補償
◎携行品損害・・・盗難にあったりしたときの補償
他にも、事故が合った時に家族をよぶための費用や、飛行機が遅れたり、手荷物が紛失したりした時の補償、留守宅財産の補償や、事故後の弁護士費用、緊急歯科治療や既往症まで補償してくれるものなど、保険によってさまざまです。
どうやって選ぶ??
・補償のバランス ・保険料 ・いざという時の対応がしっかりしているか? がポイント。
保険料は各社かなり差があります。ネット割引や、リピーター割引などもありますので必要な補償内容も含め比べてみましょう。方面によって保険料が違うリスク細分型の保険も出ています。また、訪問国にヘルプデスクがあるかどうかも確認しましょう。
クレジットカードに旅行保険が付いているので大丈夫?
良くある質問ですね。補償内容はカードの種類にもよりますが、通常の旅行保険と比較して補償が少なめに設定されているものがありますので気をつけてください。
カード付帯の保険の特徴として“傷害・疾病治療費が少ない!”ということがあります。死亡保険金は5000万円もあるのに、治療費用は150万円!など。疾病死亡は補償されないものもあります。
旅行に行ったときに利用する可能性が高いもの?を考えた時に、“病気・けが”は1番リスクが高そうに感じませんか?クレジットカード付帯の保険は、安いコストで補償を提供しているため、リスクが高い部分に関しては補償障を小さく設定する場合が多い!というのが落とし穴ですね。
では、ここでクイズです。
この中で保険の対象となるものはどれでしょうか?
(旅行保険には出発の前日に加入しているとします。)
① ハワイ旅行へ行くために、最寄りのバス停で空港行きバスを待っていたところ、別の車にひかれけがをした。
② 旅行から帰った翌日に新型インフルエンザが発症。旅行中に感染していたことが判明した。
③ インドネシア旅行中に、地震に遭い大けがをした。
④ 東南アジアで細菌性の食中毒にあった。
⑤ 国内温泉旅行中に露天風呂で滑ってこけて大けがをした。
ちょっと、FPの受験対策講座!みたいになってしまいましたがいかがですか?
解答はこちら。全部対象となります。
① ○ 家を出発した時点で補償の対象となります。保険は空港でではなく前日までにかけましょう。
② ○ 旅行行程終了後72時間以内に発症した新型インフルエンザは補償の対象となります。ちなみに鳥インフルエンザは30日以内となっています。
③ ○ 海外旅行中の自然災害は対象となります。
④ ○ 海外・国内旅行中の食中毒は対象となります。一般の傷害保険の場合は対象外となります。
⑤ ○ 国内旅行傷害保険の対象となります。お風呂でのケガというのは、高齢者のツアーでは非常に多いケースです。国内旅行でもしっかり保険に入っておくことをお勧めします。
さて、10数年前、“ベニス仮面祭りツアー”に添乗員として同行させていただいたことがありました。
“ベニスの仮面祭り”は世界3大祭りの1つで、15世紀~16世紀ころに貴族も庶民も関係なく仮面をつけて楽しもう!ということから始まったカーニバルだそうです。町中が中世にタイムスリップといった感じで、貴公子や貴婦人、神秘的な仮面で覆った人々、宇宙人?みたいな人もいて、ワクワクしたのを覚えています。
一緒にいったメンバーの中に、ベニス到着時から興奮状態で「もう楽しくて、楽しくてワクワクよ!」と語っていた中年の女性2人組がおりました。
あまりの浮かれように少し心配で、
「手荷物品には気をつけてくださいね。」とアドバイスはしましたが、
「大丈夫、大丈夫!」ニコニコ、心ここにあらず!
案の定・・・、フリータイム終了後、「添乗員さんどうしましょう~(涙)」と呼ぶ声が・・・。二人とも、サイフをすられたそうでした。幸いパスポートはおなかに巻きつけていて大丈夫だったので、帰国に支障をきたしませんでしたが、せっかくの“ワクワク”の旅行が“ガックリ”の旅行になってしまいました。
ただ、旅行保険に加入していましたので、“現金”は戻ってこないものの、”トラベラーズチェック“については補償の対象になり、しっかり番号も控えていたため後で返してもらえることになり、不幸中の幸いといった感じでした。
お祭り中は、人も多いし、ドロボウにとっては絶好のチャンスです。特に仮面祭りは、“仮面”で顔を覆ってだれが誰かも分からないのですから・・。
“楽しい旅行”が“残念な旅行”にならないように、気をつけましょうね(*^_^*)
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