【2010年 第2回】金投資の基礎知識 金投資
三次 理加 ⇒プロフィール
○金の魅力と特徴には、以下のようなものがあります。
1) 希少性が高い
貴金属調査会社Gold Fields Mineral Services社の調査によると、有史以来、人類が採掘した金の地上在庫は約161,000トンと推定されます。これは、50メートルのオリンピックプール約3杯分に相当するそうです。
また、米国地質学研究所Mineral Commodity Summaries の調査によると、2007年における金の推定埋蔵量は約100,000トン、うち生産可能な量は約47,000トンになるそうです。計算上、現在の年間生産量2,380トンを維持すると仮定した場合、残り42年程度で掘り尽くされることになります。
※参考資料:「東京工業品取引所 検定試験テキスト―貴金属取引の基礎知識―」/東京工業品取引所 発行
2) 換金性が高い
世界のほとんどの地域において、当日の価格で換金することが可能です。
3) インフレに強い
インフレ時には、モノとしての側面が発揮されるため価格が上昇する傾向にあります。
4) Gold is Nobody’s Liability=金は誰の債務でもない
「Gold is Nobody’s Liability=金は誰の債務でもない」は、金の価値について上手く表現した言葉といえます。
株や債券は、発行体の信用供与により価値を有します。たとえば株式の場合、発行体である会社が倒産した場合には、その株券の価値はゼロになってしまいます。
一方、金はモノであるため発行体の信用供与によりその価値を見出すものではなく、それ自体に価値を有するものです。そのため、資産価値がゼロになることはありません。
5) 有事の金としての価値
金には通貨としての側面も色濃く残っています。そのため、戦争勃発などの有事の際には、通貨の代替として買われる傾向があります。
6) 株式・債券の価格変動との相関性が低い
近年、イェール大学やペンシルバニア大学ウォートン校、イボットソン・アソシエイツ等から商品投資に関する研究レポートが発表されました。これらの研究成果のひとつに「株や債券中心の資産運用に、商品投資を組み入れると資産全体のリスクが軽減される」というものがあります。金は商品投資の代表ともいえます。
株式や債券の価格変動との相関性の低さに加え、上記4)のような性質も併せ持つことから分散投資先として注目されているといえるでしょう。
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