【2010年 第1回 】不動産投資が注目されている背景 不動産投資
大倉 修治⇒ プロフィール
◇資産運用の一手段として注目を集める不動産投資
社会の構造が確実に変化してきています。公的年金制度の見直し、企業年金・退職金制度の見直し等・・・ 将来の収入の予想がつきづらくなってきています。特に、老後資金については自助努力による準備の必要性が高まってきています。
収益不動産への投資は、その一手段となり得るものといえます。
「継続的に高収入が得られる」不動産に投資を行えば、預貯金などに比べて高い利回りが期待できます。この高い収益を生む不動産(収益不動産)への投資を行うことなどによって大成功した人に、アメリカの不動産王で大富豪として知られるドナルド・トランプ氏やベストセラーとなった「金持ち父さん 貧乏父さん」の著者であるロバート・キヨサキ氏などがいます。
ロバート・キヨサキ氏は、その著書の中で自分のポケットにお金を入れてくれる「資産」と自分のポケットからお金をとっていく「負債」の違いを知ることが大切だとしています。その上で、お金持ちになるには「本当の資産」に投資する側に回ることが重要だとし、当初、賃貸アパートなどの収益不動産への投資を積極的に行いました。その成果は、著書にあるとおりです。
「金持ち父さん 貧乏父さん」の出版以降、不動産投資への注目が高まったのは、誰もが認めるところかと思います。
◇インカムゲイン好き!?な日本人
「薮の中の二羽より今、手の中にある一羽の方が価値がある」(わずかでも実際に手にしたモノの方が、手に入るかどうかわからない大きな可能性よりも価値があるといった意味)といった諺(ことわざ)があります。
これを資産運用に当てはめると、将来得られるかどうかわからないキャピタルゲイン(売却などによる値上がり益)よりも少しでもインカムゲイン(配当・利息などによる現金収入)を得ておいた方が良いといった話になるかと思います。日本人はこの諺どおりの考え方を志向する人が総じて多いのではないでしょうか。
純資産総額が4兆円を超える(2009年11月末現在)「グローバル・ソブリン・オープン」に代表される毎月分配型の投資信託は、文字通りインカムゲインを重視した投資商品です。このタイプの投資信託に多額のお金が集まっていることなどが、インカムゲイン志向が強いと考える主な理由です。もちろん、先に触れたとおり、将来の収入の予想がつきづらくなっていることが大きな要因ではありますが…。
不動産についても保有しているだけで値上がり益(キャピタルゲイン)が期待できた時代が過去のものとなった中、「将来生み出す収益(インカムゲイン)」を主な基準として価値が決まっていく傾向にあります。こういった点も不動産投資が注目を集めている要因の一つといえるでしょう。
リスクを事前に知っておくことが大切
将来の資産形成を考える上では、先に述べた収益不動産だけではなく、株式や債券、それらを投資の対象にしている投資信託などが選択肢となりえます。このような投資商品を選ぶときは、その投資商品の持ついろいろなリスクを事前に知っておくことが大切です。資産形成においては、このリスクと上手に付き合うことが大切なポイントになります。
次回以降、収益不動産のメリットやデメリット(リスク)などについて、掘り下げて見ていきたいと思います。
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