【2010年 第2回 】不動産投資のメリット① 不動産投資
大倉 修治⇒ プロフィール
今回は、不動産投資のメリットについて、一般的に言われていることを中心に2点ほど触れていきます。
◇現金収入を継続的に得られる
不動産投資は、ゆとりある老後資金を積極的につくる方法、私的な年金を準備するための方法の一つとして注目されています。例えば、マンション投資は、自宅用とは別に投資用のマンションを購入し、それを他人に貸すことで収益を得る方法のことをいいます。
長期間にわたって定期的、安定的な収入が期待できるという点で、私的な年金として活用できます。
将来得られるかどうかわからないキャピタルゲイン(売却などによる値上がり益)よりも少しでもインカムゲイン(配当・利息などによる現金収入)を得ておいた方が良いといった考えをお持ちの方にとっては、理屈(≒合理性)抜きにメリットと感じ得る部分と言えます。
◇節税効果
マンション投資は、節税目的を兼ねた投資商品ともいわれています。それは、ほとんどの金融商品は、利益が上がればその利益に対して税金がかかってしまうのに対して、表面的には利益が出ていても税務申告上は赤字として申告できる場合があるなど税務上の処理の方法が特殊なためです。
では、具体的に税務上のメリットについて見ていきましょう。
所得税の「所得」とは、簡単にいうと私たちが、色々な形で手にする収入から経費などを差し引いた利益のことです。サラリーマンの収入は給与所得、商売等事業による収入は事業所得というように、10種類に分類されます。複数の所得がある場合、不動産所得・事業所得などの赤字を、他の黒字の所得と通算できる損益通算というしくみがあります。
その結果、全体として所得を減らすことができるので、税金の額を少なくすることができます。マンション投資で得た家賃収入等は、不動産所得として扱われ、家賃収入等そのものではなく、家賃収入等から色々な必要経費(※)を差し引いて計算されます。
この必要経費を差し引くことによって、実際の手取りの収入はプラス(黒字)であっても、所得の計算ではマイナス(赤字)となる(=不動産所得が赤字になる)ことがあります。この不動産所得が赤字であれば、損益通算のしくみを使うことができるのです。
(※)減価償却費(建物の価値の減少分)、固定資産税・都市計画税等の税金、火災保険料、管理費やローンの利子(ローンを利用している場合)などが含まれます。
「税金をなるべく払いたくない」といったニーズは総じて高いように思います。ただ、損益通算のしくみが利用できたとしても、それは限られた期間のみです。また、そもそも論として、損益通算が当てにし過ぎた投資というのも、いかがなものかという話はあります。
◇まとめ
不動産投資は、継続的な収益が期待できる物件を購入することはもちろんのこと、税金を上手にコントロールすることも大切です。最終的にいくら手元にお金が残るのか、「税引き後のキャッシュフロー」が投資の成否を分けると言っても過言ではないからです。
収支計画の考え方などについては、別の機会に触れていきます。
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