不動産投資のメリット②【2010年 第3回】

【2010年 第3回 】不動産投資のメリット② 不動産投資

大倉 修治⇒ プロフィール

今回も、不動産投資のメリットについて、一般的に言われていることを中心に2点ほど触れていきます。

 

◇レバレッジ効果

マンション投資では、事業用のローンなどを活用することによって、全額を自己資金で用意することができなくても、投資することができます。また、現在の低金利の状況を活かすことによって、少ない投資金額で高い利回り(レバレッジ効果)を期待することもできます。

レバレッジとは、「てこ」のことをいいます。「てこ」は小さな力で重いものを動かす道具です。レバレッジ効果とは、「てこ」のように小さな資金で大きな利益(リターン)を得ることをいいます。では、具体的にその効果を見ていきましょう。

例えば、物件価格が5,000万円、家賃収入が400万円の場合、全額自己資金で用意すると、自己資金の5,000万円に対する表面利回りは、8%(400万円÷5,000万円×100%)となります。これに対して物件価格5,000万円の80%の4,000万円を金利3%で借入れした場合はどうなるでしょう。家賃収入は400万円ですが、経費として借入金の金利が120万円(4,000万円×3%)かかるので、手元に残るのは280万円となります。この場合、自己資金の1,000万円に対する表面利回りは28%(280万円÷1,000万円×100%)となります。

上のとおり、借入金を増やすことによって利回りが大幅に上昇しました。現在の低金利の状況においては、期待できる利回りよりも借入れのための金利の方が低いため、レバレッジ効果をうみやすいといえます。

ただ、借入額を多くした方が、高い利回りが望めるかもしれませんが、その裏側にはリスクがあることを知っておく必要があります。具体的には、金利が上昇した場合が問題となります。金利の上昇によって、家賃の収入よりローンの返済額の方が上回ってしまうといったこともあり得ない話ではありません。ある程度、自己資金(現金)の比率を高くしておいた方が安全といえるでしょう。

◇インフレヘッジ

日本は、ここ数年デフレ(物の値段が下がり続ける現象)が続いています。しかし、日本は、石油などの資源や食糧のほとんどを輸入に頼っており、為替の動向などによっては、インフレ(物の値段が上がり続ける現象)に転じる可能性はゼロではありません。また、政府の経済政策や財政の運営によってもインフレは起こり得る状況といえます。長期的に資産の運用を考える場合、このインフレに対する備えをしておく必要があるといえます。

インフレリスクとは物価が上がってお金の価値がさがること

インフレリスクとは、物の値段(物価)が上がることによって、お金の価値が下がってしまうリスクのことをいいます。運用によって金融資産が増える割合よりも、ものの値段が上がる割合(物価上昇率)の方が高いと、結果として金融資産の実質的な価値は目減りしてしまうことになってしまいます。

例えば、100万円を年0.5%の定期預金に預けると、1年後には100万5,000円になります。しかし、この1年の間に物価が2%上がってしまうと、100万円だった“物”の値段は102万円になってしまい、1年前であれば100万円で買えた“物”が買えなくなってしまいます。つまり、お金の価値は結果的に目減りしてしまったことになります。これがインフレリスクです。

一般的に、物価が上がれば、不動産投資の収益の元となる家賃も上がることが想定されることなどから、不動産投資はインフレに強いと言われています。しかし、現在はバブル期のように、どんな物件でも一律に家賃が上がるということは考えにくい状況です。

インフレに対抗するためには、マンション投資では「立地条件が良く、安定した収益を生む優良な物件を選択すること」がポイントになるでしょう。

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