【2010年 第5回 】不動産投資のリスク② 不動産投資
大倉 修治⇒ プロフィール
今回も、不動産投資のリスクについて、一般的に言われていることを中心に3点ほど触れていきます。
◇金利上昇リスク
不動産投資をする際に借入れ(ローン)を中心に資金の調達をする人には、現在の低金利の状況は、「レバレッジ効果」が得やすいこともあり、非常に魅力的といえます。しかし、この低金利がいつまで続くかはわかりません。今後、金利が上昇する可能性もあるでしょう。
投資をする際に、金利が変動するタイプのローンを利用した場合、金利の上昇によって、ローンの返済額が増えてしまう可能性があります。ローンの返済額が増えると、当然、手取り収入は減り、収益も下がってしまいます。
また、一般的に金利が上昇すると、安全性・確実性が高いとされる預金や国債などへの投資を行う人が増えることが想定されます。それが結果的に不動産価格に影響を与えることもあります。
ただし、中長期的に見た場合、金利上昇の背景が、景気回復に伴うようなものであれば、賃料や不動産価格の上昇も見込めますので、結果的に金利上昇による収益の悪化を軽減できることもあります。また、不動産投資において、金利は不動産所得の計算をする際に必要経費に含めることができます。その結果、一定の税務効果が得られますので、住宅ローンと比べると金利上昇の影響は小さいともいえます。
◇流動性リスク
現物不動産投資の場合、その投資対象となる不動産は、一般の金融商品に比べて流動性が低い(売ろうと思ってもすぐには売れない)といえます。急にお金が必要になったときには、すぐに現金化できないので注意が必要です。
不動産投資は、賃料収入(インカムゲイン)だけではなく、将来売却するときの価格のことも含めてその収益性を検討する必要がありますので、売却のタイミングは大切なポイントの一つとなります。
◇その他のリスク
地震や火災などによって投資対象となる建物に損害が出る場合や、建物そのものや設備が老朽化した場合には、収益性が悪化することになります。一定の収益性を保つには、管理・運営の状況がポイントになります。また、将来の修繕費用等もある程度見込んでおく必要があります。
その他、税制や建築基準法などの法規制の改正によって影響を受けることもあります。
以上のようなリスクがあることを踏まえ、納得した上で投資する必要があるといえます。
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